#22 再登校しても試練の連続
「こいつ、不登校だったんだぜ!」
「ねえ、どうして不登校のクセに学校きてんの?」
新しいクラスになると、今まで息子のことを知らない子たちもたくさんいたけど、息子が自己紹介をする前に息子が不登校だったとわざわざ紹介して歩く子がいました。
そして、不登校だからって見下す発言や、息子の体調の悪さをただのサボリ・ズル休みなどと決めつけ、非難してくる子たちもたくさんいた。
そんな声をシャットダウンするために、息子はまた本で武装するようになっていきました。
「僕には本があるから大丈夫」
「うるさいヤジも本を読んでいたら聞こえないし、休み時間は本を読んでたら過ぎるから平気だよ」と言い、登校を続けました。
だけど、
元気いっぱいの担任の先生が、息子の読んでいる本に関心を示し、「何の本を読んでいるの?どんな内容?あらすじ教えて!」と息子にいつもコミュニケーションをとってくれたり、息子とお友達になりたいと思った子が何度も何度も息子に話かけてくれました。
その子は、息子の冷たいあしらいにもめげずに、何度も話かけたり、持っている本を奪い取ったりと、息子の邪魔をし続けて…。
それから、
「俺たち友達だよね?」
って息子にダイレクトに聞いて、息子の「違うと思う」って残酷な返しにもめげずに、息子に優しく接してくれました。
息子は、どんなに邪険にしても、ニコニコ笑顔で話かけてきてくれる子に次第に心を許していきました。
息子に優しく接してくれる子がいる一方、
息子にキツく当たる子もいました。
なかなか体育の授業に参加することができず、授業を見学していると、クラスメイトから一斉に非難の声があがります。
「ずる休み!」「せこいぞ!」「仮病!」「不登校!」などなど…。
息子の体調が悪いことは、誰にも理解してもらえませんでした。
さらに、校外学習が同じ班の子で、何かと息子のことを仲間はずれにしたり、バカにしたり、イジメのターゲットにする子がいました。
どんなに休み時間に本を読み続けて我慢をしても、授業中のヤジやイジリには我慢しないといけません。
何をやっても、どんな行動をとっても、つまらない言いがかりをつけられて一方的に非難される。
次第に息子は、校外学習の事前準備のある特定の曜日は登校するのを極度に嫌がるようになりました。
校外学習は健康で体力がないとかなり大変な行事で…体調不良で体力がなくなっている息子がいくら頑張っても非難され、バカにされ、足手まといだと邪険にされました。
校外学習が近づくにつれ、ストレスからどんどん体調も悪くなるし、自信の水も根こそぎ奪われてしまいました。
かなりストレスが溜まり、辛かったんだろうな…
ある日、校外学習のしおりが配られたとき、息子は家でしおりをビリビリに破いて、
「絶対に行かない!」
と叫び、暴れました。
動き出さないと現状は何も変わらない。
勇気を出して一歩踏み出すと仲間を引き寄せる。
一人じゃ乗り越えられないことも、みんなと一緒なら乗り越えられる。
「新しいしおりを一部頂けますか?」
担任の先生にお願いの連絡をする際に、今まで見守ってきたけど、親が口出しするのはなるべくしたくなかったけど…イジメについて話をしました。
先生は、さり気なくサポートしてくれたみたいで、班での話合いのときに、問題点を引き出し、改善策を一緒に考えてくれました。
この時の話合いをキッカケに、リーダー格の子に合わせてイジメる子の数が少し減り、息子も校外学習に無事に参加することができました。
そして、息子が辛い気持ちでいたことを理解してくれた子たちが、イジメのリーダーから息子を守ってくれるようになりました。
お昼休みは、息子を囲うようにみんなが一緒にごはんを食べてくれたり、悪口を言われたら倍返しで言い返してくれたみたいです。
イジメのリーダーの態度に嫌気がさしていた仲間の子たちも息子たちと一緒のグループでお昼をたべるようになり、どんどん息子の周りにはお友達が増えていきました。
そして、
イジメのリーダーには誰も近寄らなくなり、お昼休みは一人で壁を向いてごはんを食べるようになるくらい、どんどん孤立してしまったそうです。
息子は、自分の体調のペースに合わせて遅刻する事もあったけど登校を続け、クラスのムードメーカーになっていきました。
授業中も仲良しのお友達と「うるさい!」と先生に怒られる事が増えたし、息子が毎日のように保健室へ休みに行くと、息子の真似をして保健室で休憩しようと気軽に保健室を利用する子が増えてしまい、保健室が息子のクラスの子たちの溜まり場のようになって、ちょっとした問題になりました。
2年生はとても大変な事もたくさんあったけど、周りからのサポートに恵まれて、息子はイジメ問題を乗り越える事ができ、自分の居場所を作ることができました。
息子は、ネガティブな言葉に負けず、非難した子たちも味方に変えて、学校生活を楽しく過ごせる場所に変えることができました。
息子に限界を決めたり、諦めてたら、これらの経験は何も出来なかったと思います。
心のコップが大きく成長し、息子は不登校になる前よりもずいぶん逞しく成長しました。
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