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アートと温泉に浸る。大分別府の旅

春の週末、大分別府の旅行記。




暖かくなってきて、温泉にゆっくり浸かりたいね、という話になり、家族で大分県の別府に行ってきました。

地獄蒸し

せっかくなのでまずは別府っぽいことを。
お昼を食べに、地獄蒸しで有名な鉄輪のまちへ。

この日は4月並の良いお天気でした。
窓を開けて、暖かい風を感じながらレンタカーを走らせます。私はこの旅行の始まりの、期待感を感じてる瞬間が一番好きだったりします。


道路の溝や煙突など穴という穴から、湯気が立ち上る、鉄輪のまちに到着。

見慣れない湯気のある景色に、興奮する私と夫。
ちょっと怖がる1歳の子ども。


駐車場に車を停めて、お目当てのお店『地獄蒸し鉄輪』に行ってみると、12時前にもかかわらず1時間待ち。

もう少し早く来れば良かったかなと思いつつ、周りを散策しながら待つことにします。


大人は温泉で蒸した卵を、子どもには温泉の何やらで育てたというバナナがあったので買ってみる。

散策をしていると、湯気の立ち上る境内で、ご機嫌な洋楽をギターで奏でるご老人。
お寺で洋楽、粋だなあと耳を傾けるながら、散策。そしてベンチに腰掛けて卵とバナナとを食べる。

ここまでは良い時間。


さすがに待ち時間が長くなってきて、グズり始める1歳に、こちらも焦り始める。
もうちょっとよー待てるかなー。

やっと順番がきた!と思って地獄蒸しセットを受け取ると、これから15分釜で蒸すのだそう。
そうか、ここから蒸すんですよね。15分…

待つこと15分…
地獄蒸しが出来上がり。

この時点で13時過ぎてたけど、待ち時間はもっと伸びて、2時間を超えていました。
さすが、大分屈指の人気観光地。

たしかに、蒸すのも楽しいし、野菜にお肉に海鮮に、とにかくヘルシーな感じがまた、素敵。
旅はどうしても食が偏りがちになるので、ここでお野菜をチャージ。

エビが好物の子どもは何とか機嫌を持ち直して、3匹全て美味しそうに平らげた。良かった。


アーティストが集うアパート

別府はアートへの取り組みが盛んなまち。

どこに行こうかと調べていたところで気になったのが、アーティストやクリエイターの方が集って住んでいるという『清島アパート』。

事前予約で見学させてもらえるとのことで、旅前に予約をしました。

清島アパートとは
大分県別府市にある戦後まもなく建てられた3棟22 室からなる元下宿アパートで、現在、NPO法人BEPPU PROJECTがアーティストの活動支援の一環として維持運営しています。

BEPPU PROJECTより

予約完了メールには
「入居者で一人芝居俳優の東京ディズニーランドが案内をいたします。」
という文言が添えられていた。

期待に胸が高まる。


昼下がり。約束の時間に別府アパート行ってみると、バレエのチュチュを身にまとった「東京ディズニーランド」さんが出迎えてくださった。
素敵な装いから、ウエルカムが伝わってくる。

東京ディズニーランドさんの髪には、ヘアクリップよろしくファミコンが付いていて、タイツには色んなものが刺さっている。
文字では伝わりにくいと思うけれど、名前負けなんて全然してない東京ディズニーランドさんだった。

この時点で現代アートスタイルが好みの私はすっかり魅了されている。
ちなみに子どもは抱っこひもでお昼寝中。


東京ディズニーランドさんはホスピタリティー溢れる方で、とても気さく。
別府で行われた過去のアートイベントのこと、清島アパートの取り組みや歴史について話してくださった。
お話から、別府というまちの懐の深さ、多様性や異文化を受け入れる土地柄を感じることができた。

清島アパートはこれまで200人以上の芸術関係者が入居したのだそう。

「この建物と建物の隙間、素敵ですね。」
と私が写真を撮っていると(清島アパートは写真撮影とSNSへの投稿OKとのこと)

「過去にアパートの入居者同士で結婚したカップルがいて、ここで結婚式を挙げて、この道はバージンロードで使われたそうですよ。」
とのことだった。素敵すぎる。


清島アパートの壁には長文の落書き

清島アパートの中には入居者のアトリエがあり、一つ一つ説明を受けながら中を見せてもらった。
東京ディズニーランドさんが俳優だからなのか、とても話に引き込まれて、あっと言う間に時間が過ぎていった。


最後に、東京ディズニーランドさんの一人芝居を見せてもらって見学コース終了というところで、子どもがお昼寝から起きてしまった。
寝起きの不機嫌モード発動。大泣き。

すると、急遽泣いている子どもを巻き込んで「イタイイタイの飛んでけ」をモチーフにした一人芝居を観せてくださった。
なんというホスピタリティー。

子連れで見学に行って、大丈夫かな、とすこし心配もあったけど、素敵な空間で素敵なものを見せてもらうことができた。


そのほか巡ったアート。

COMICO ART MUSEUM YUFUIN
大分アートプラザ
OPAM


別府のジモ泉へ

別府「ジモ泉」とは
地元の人が毎日通う共同温泉、通称「ジモ泉」でディープな別府にどっぷりつかるもよし。楽しみ方はあなた次第です。

別府たびより

旅行中は子どもを寝かしつけてから、夫と交代でジモ泉を楽しんだ。

私が行ってみたジモ泉は、脱衣所とお風呂に仕切りが無かった。(これはあるあるみたい)
シャワーもない。ドライヤーもない。
家のお風呂とも、よくある銭湯とも違うスタイル。

お尻を床に付けないとか、湯が熱い時は周りの人に声をかけて水を足すとか、別府のジモ泉独自のルールがあるようで、地元の方にならって楽しんだ。

不便といえば不便なんだけど、この独特な不便さが気に入って、長期で別府に滞在して毎日ジモ泉に通えたら最高だな、なんて思いながら温まる。


こちらの竹瓦温泉は、脱衣所から見下ろす温泉が圧巻だった。

竹瓦温泉

個人的にはこじんまりしたこちらの松原温泉が良かった。近所に欲しいコンパクトさ。でも番頭さんがいる安心感。

松原温泉


ノスタルジック 別府ラクテンチ

今年で95周年になるという老舗の遊園地「別府ラクテンチ」にも行ってみた。

私も初めて見た気がするパンダカーや、バイクのメリーゴーランドなど、一周回って、見るもの全てがイケていた。昭和ノスタルジック。

幼児から小学生低学年向けの遊園地かな、1歳も楽しめた。アンパンマンの列車を見つけた時にはこの旅一番の笑顔を見せてくれた。
結局アンパンマンは最強。

ちょっとでも笑顔になってくれると、こちらは何をしていても楽しくなるし、ついつい子どもの笑顔を引き出そうと力んでしまう。

大人の楽しみの追求と、子どもを楽しませたい気持ち。子どもとの旅はこのバランスが難しいなあと、改めて感じた別府。
でも何度行ってもやっぱり家族と行く旅は、最高。


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