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なぜ齋藤飛鳥は乃木坂46の中心人物になったのか

「乃木坂46」と聞いて思い浮かぶメンバーは誰ですか。

推しメンがいる人であればそのメンバーだと思いますが、そこまで乃木坂46を知らない人は、白石麻衣さんが卒業した今であれば、齋藤飛鳥さんを挙げる人が多いかもしれません。

たとえ乃木坂46をそこまで知らない人でも、「なんか知ってる」というようなことがあるのではないでしょうか。本人は謙遜したり否定したりしていますが、様々なメディアで取り上げられている彼女は乃木坂46の代表的な存在であると言えるでしょう。

しかし、実は齋藤飛鳥さんは始めからそのような存在ではありませんでした。乃木坂46の1期生であり結成当初は最年少の13歳だった彼女ですが、このように乃木坂46の中心的な存在になったのは、乃木坂46の歴史では後半の方です。

初期の頃はアンダーとして選抜メンバーに入れないことも多々あり、徐々に頭角を現していった経緯があります。そして初めてセンターを務めたのは15thシングルである「裸足でSummer」です。

初めから選抜や福神を務めることで有名になり、知名度や人気が維持されているメンバーは多々います。しかし、齋藤飛鳥さんのように徐々に有名になっていき、今や乃木坂46の中心的な存在になったメンバーというものは前例がなく、とても貴重で興味深い経歴をもつ人物だと思います。

今回はなぜ齋藤飛鳥さんが乃木坂46の中心人物になったのか、その理由を彼女の経歴や有り様から考察していきます。彼女のこれまでの歩みを振り返ることで、乃木坂46で最も活躍できるのはどのような人物なのかということが解明できるかもしれません。


運営陣による戦略があったから

齋藤飛鳥さんが乃木坂46の中心的な存在になったことには複合的な理由があります。そして最大の要因は彼女自身の努力であることは間違いないでしょう。彼女自身、様々なインタビューで自身の身の振り方に苦労したエピソードを明らかにしています。

また、他の理由として、乃木坂46の運営陣による戦略があるのではないかと僕は考えています。

こと女性のアイドルグループを運営において、どうしても避けて通れない悩みの種として挙げられるのはメンバーの卒業です。卒業する理由は様々ですが、女性がアイドルグループを卒業する最も顕著な理由は、年齢とパフォーマンスの隔たりではないでしょうか。

乃木坂46の運営陣は、それまで数多くのアイドルグループを見てきた中で、もはや経験的にこの理由を把握していたのではないでしょうか。そして実力のあるメンバーの卒業は「ロス」を発生させ、徐々にそのグループの人気を衰退させていった歴史を学んでいたのだと思います。

そして、実力のあるメンバーをグループに可能な限り長期間在籍させるためにはどうしたら良いのかということを念入りに考えてきたのだと思います。

その結果、年少者を有名にするという戦略を思いつき、実行しているのはないでしょうか。

齋藤飛鳥さんが1期生の最年少メンバーであることは上述した通りです。この事実は乃木坂46のファンにとってもはや常識と言っても良いことです。そしてこの事実にこそ、乃木坂46の運営陣は目をつけたのだと思います。

1期生であり最年少のメンバーであるということ、それはグループ全体の在籍期間が長期化する可能性が高いということです。故にそのようなメンバーを育成し、グループの中心的な存在に出来れば、いずれ訪れるであろう卒業によるロスの発生を延期させられると考えたのではないでしょうか。

乃木坂46自体は流動的なグループであり、メンバーの卒業を喪失ではなく変化として捉えられる体質をもっています。しかし、たとえその体質をもっていたとしても、メンバー卒業によるロスというものは少なからず発生するものです。

人気商売であるアイドルグループを運営する立場としては、人気者が人気者であり続けられるにはどうすれば良いのかということを考える必要があります。

その結果、ロス対策として挙げられたのは、1期生の最年少メンバーである齋藤飛鳥さんを育成することだったのだと思います。

そして齋藤飛鳥さんが在籍している間に多くの若手メンバーを育成していくことで、たとえロスが発生したとしても、そのロスに耐えられる体質をグループ身につけさせる意図があるのだと考えられます。

もしこの仮説が正しいのだとしたら、乃木坂46の運営陣が執った戦略は見事に功を奏したのだと思います。

齋藤飛鳥さんが在籍中に、山下美月さんや遠藤さくらさん等、センターを務める実力をもった若手メンバーが複数現れました。それにより、白石麻衣さんのような象徴的なメンバーの卒業を喪失ではなく変化と捉え、スムーズに新章突入を果たすことが出来ていると思います。

これはあくまで僕の考察ですが、もしこの考察が事実であった場合、齋藤飛鳥さんには乃木坂46の運営陣からかなり強い働きかけがあったのではないでしょうか。

明らかに実力以上と思える大役を任せられたり、彼女自身の考えに沿わないパフォーマンスを求められたりしたのだと思います。

実際に「情熱大陸」では、海外のLIVEで締めくくりのスピーチを求められた時、卒業間近の西野七瀬さんの方が適任だと主張・反論し、運営陣や乃木坂46運営委員会委員長の今野義雄さんと話し込む場面が記録されています。

育成を受ける側としては、「なんで自分なんだろう」と疑問を抱いてしまう場面は多々あったと思います。しかしそのような試練を乗り越えてきた今だからこそ、齋藤飛鳥さんは頼れる先輩として後輩から尊敬されているのだと思います。

1期生や2期生の卒業が相次いでいる中、このような先輩の存在は貴重であり、後輩達を含めたグループ全体を支える大役を大役を担っているのでしょう。

乃木坂46は、いずれ訪れる齋藤飛鳥さんの卒業にも対応できるように成長していく必要はあります。だからこそ、齋藤飛鳥さんには「自分がいなくなっても乃木坂46は大丈夫だ」と思えるまで乃木坂46を支えてほしい。

そして、たとえそのような状態に乃木坂46が成長しても、1日でも長く乃木坂46に所属していてほしいと思います。


変化に富んでいるから

芸能界で活躍している人達は、一般人から見ると誰もが個性的です。とは言っても芸能人も元々は一般人であり、芸能界で成長していった結果として、個性的であるのだと思います。

乃木坂46のメンバー達も例外ではなく、元々はどこにでもいるような普通の女の子達でした。その女の子達が運命的に出会い、現在の乃木坂46を形作っています。

普通の女の子であった彼女達です。個性こそがモノを言う芸能界に参入したことで、「個性的にならなくちゃ」と焦燥を抱いてしまうことは多々あるでしょう。

実際に星野みなみさんは握手会で「強みないのに居れてラッキーだね」と言われ、まさに自分が抱いている悩みを口に出されてしまったと吐露していました。

このような悩みは、他のメンバーも抱いていることでしょう。齋藤飛鳥さんも同じような悩みをもっていたことを明言しています。

彼女には、1期生がそれぞれの個性で活躍している中で、どんな自分であるべきか悩み、無理矢理に自分のキャラクターを確立しようとしていた時期があります。

アイドルらしい自分になるために「あしゅりん」と名乗ったり、少し尖ったキャラクターになるために毒舌のパフォーマンスをしたり、彼女自身、どのように自分を売り出すのか相当悩んでいたようです。

現在は、そのような時期が過ぎ、キャラクター作りに奔走せずに落ち着いているように思います。「今の自分は本当の自分ですか」と問えばどのような返答があるか分かりませんが、傍から見ていると、可能な限り素の自分を出せているのだと思います。

ファンとしては、そのような変遷があるメンバーに対して、親心のような愛情を抱いてしまいます。

最初はあどけなくパフォーマンスしたり自分の売り出し方に迷走したりしていたメンバーが、今となっては大きく成長して凛々しく活躍している姿は、過去を知るファンだからこそ、より熱をもって応援したくなるものです。だからこそ、齋藤飛鳥さんの人気は上昇し続けているのだと思います。

そんな人気が高まり続けるメンバーがグループの中心に据えられるのは至極当然のことでしょう。

齋藤飛鳥さん自身は自覚がないのかもしれませんが、成長していく姿を見せるということは立派な自分の売り出し方であり、その戦略を意図せず採用してきたのだと思います。

特に、元々普通の女の子がある日突然、当時日本一のアイドルグループであるAKB48の公式ライバルとして定義された歴史から考えると、乃木坂46においてはある意味で正統な売り出し方でしょう。普通の女の子が日本一の存在と肩を並べるべく成長していく姿を見せることは、他のメンバーも意図せず行ってきたものです。

また、乃木坂46には流動性があり非常に変化に富んだグループです。変化に富んだグループに所属しながら変化していくことは、そのグループとの相性が良いからこそできる成長の仕方だと思います。

一般人から見ると、ミャンマー人と日本人のハーフという出自や、顔がとんでもなく小さいことからして既に特権的な個性をもっているとは思うのですが、彼女はそのような過去に形成された要素を個性として売り出すことはしていません。

それよりも、今の自分という存在で勝負することに重きを置き、成長してきたのでしょう。だからこそ、今の自分が居心地よくいられる環境が彼女の周りに整えられてきたのだと思います。

今となっては、乃木坂工事中で運動音痴な一面を見せたり、バナナマンのお二人から無茶振りをされたり、画伯と称される絵を描いたり、後輩からイジられたり、非常に個性的なパフォーマンスを披露しています。


基本を大切にしているから

「情熱大陸」で言及されていたエピソードですが、齋藤飛鳥さんは唯一、握手会を一度も欠席したことがないそうです。あくまで2018年時点の情報ですが。

ただでさえ、2018年時点で乃木坂46に加入して7年経過しているのです。その7年間、一度も握手会を欠席していないのはもはや快挙だと思います。

AKB48を皮切りに、秋元康さんがプロデュースするアイドルグループには握手会が付き物になっており、乃木坂46においても同様です。であれば、乃木坂46にとって握手会に参加することは基本中の基本なのだと思います。

もちろん、舞台等のスケジュールの都合上、参加できなくなることはあるでしょう。きっと齋藤飛鳥さんにもそんな場面はあったのだと思います。モデルや女優等、あれだけ忙しい立場であればそれは当然です。しかし、それでも一度も握手会を欠席していないなんてことが成し遂げられているのは、並々ならぬこだわりがあると考えられます。

また、齋藤飛鳥さんのダンスは他のメンバーのお手本になるくらいに正確で無駄のない洗練されたものだという話があります。「ダンス七福神」という称号を得ているほどであり、LIVE映像で見られる彼女のダンスは非常にカッコいいものに仕上がっています。

このような姿から想像すると、齋藤飛鳥さんは乃木坂46のメンバーに求められる基本のパフォーマンスにとても忠実なのだと思います。

握手会に参加しファンと交流することや、ステージで正確に歌い踊ることは、秋元康さんがプロデュースする乃木坂46にとって基本中の基本です。

他のメンバーがこの基本が出来ていないと言うつもりはありません。齋藤飛鳥さんが、よりその基本を重んじているのではないかと言うことを述べたいのです。

組織運営において、その組織の根幹にある価値観や行動を重んじる人材が中心的なメンバーに据えられることは当然でしょう。そしてその中心に据えられたメンバーの行いを見て他のメンバーも追随していくことになります。

つまり、齋藤飛鳥さんは乃木坂46の運営陣が重要視している価値観や行動を遵守しているが故に、その模範として、グループの中心的な立場を任せられているのだと思います。

基本に忠実であることが如何に組織において重要なのか、言葉ではなく背中で語る先輩がいることは、運営陣から語って聞かせるよりよっぽど効果があるでしょう。威厳とはそういうものです。

そういう意味でも、齋藤飛鳥さんは乃木坂46の運営陣にとっても重要な存在なのだと思います。重要ではなくメンバーなどいるはずがありませんが、齋藤飛鳥さんだからこそ任せられる立場や役割というものが確実にあるのだと思います。


まとめ

1期生や2期生の卒業が相次いでいる今、齋藤飛鳥さんはどんな心境なのでしょう。

もしかしたら、「自分もそろそろ」なんてことを考えていてもおかしくなさそうです。僕としては、上述した通り1日でも長く乃木坂46にいてほしい。これはどのメンバーに対しても抱く感情ですが、齋藤飛鳥さんに関しては特に思います。

齋藤飛鳥さんがいない乃木坂46は、今や想像が出来ません。

これは乃木坂46が、齋藤飛鳥さんの卒業を「喪失」と捉えざるを得ない時期であることを意味していルト思います。であれば彼女にはこれからも乃木坂46を牽引し続けてほしい。

そしていつか、齋藤飛鳥さんがいない乃木坂46を想像できる日が来た時に、「ここまでの乃木坂46は私が引っ張ってきたんだ」と胸を張って卒業していって欲しい。そんな日は恐らく当分来ないでしょうし、来て欲しくない。ファンとしては時間が止まって欲しいとも思ってしまいます。

今回の記事を書いている中で、彼女が活躍する姿をもっともっと見ていたいと心から思いました。これからも乃木坂46の礎を作り続けていくであろう齋藤飛鳥さんには、これからも期待を寄せたいと思います。

以上、「なぜ齋藤飛鳥は乃木坂46の中心人物になったのか」でした!!

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