【後悔】医学部志望/医学生だが、医師の仕事に魅力を感じない人達へ
コクローの第118回医師国家試験の不合格体験記はこちら
コクローです。
本記事では、医学部志望もしくは医学部生だが、
・医師の仕事に魅力を感じない
・医学に興味が無い
・入学したけど思っていたのと違った
・燃え尽きた
・本当に医師になりたいのかわからない
こうした人達について、(人によりけりだが)その原因と特徴を俺の独断と偏見で考察する。
人によってはかなりセンシティブな話であることを断っておく。
【結論】
未熟過ぎる俺が思うことを冒頭に記す。
①そもそも、医師免許のリターンを捨ててでもやりたいことはあるか?もしあるなら、今すぐやって欲しい。
②折角だし、初期研修は終わらせよう(簡単ではないが)
③沢山悩んだ俺達だからこそ、良い医師になれるのかもしれない
④不純な理由だって良い。今頑張るのに、理由は要らない。
俺はもう医学部を卒業したこともあり、今では医師になる覚悟は決まっている。それでも昨今話題の労働環境の話や医師過剰の話など、思う所があるのは事実だ。
そして、実は俺自身も、医師の仕事に魅力を感じていなかった1人だ。
この記事では、あえて医師という仕事の魅力に多くは触れない。恐らく読者の皆様は重々承知していると考えたからだ。
【医師という職業の特殊な点3選】
医師という職はかなり特殊であると言える。最初に医師の特殊な点を3点だけ紹介することで、記事後半の前置きとしたい。
①:【入学の段階で進路が確定する】
医学生の9割以上が臨床医になる。
つまり、医師になるためには高校生や浪人生の段階で医師になる決断をせねばならない。
しかも、医学部受験の難易度を考えると中学生、あるいは小学生から相応の準備が必要だといえる。
医師になるには、まだ世を知らぬ子供の段階で職を決める必要があるのだ。
一般的な大卒の場合、就職活動で初めて職種が決まるし、会社が変われば職業名すら変わることだってある。
医師は高卒後、いきなり職業が確定し、殆どの医師が一生医師である点が特殊であると言える。(例外はある)
②:【高い難易度】
一般的に、医師になる難易度は高い。
医学部は入試が熾烈で、数十年間安定して高倍率である。
また、医師国家試験だけではなく、定期試験も他学部とは比較にならない分量がある。その他独特の人間関係や実習等、乗り越えるべきハードルは多く、期間も長い。
そして、1つでも躓くとアウトである。
この難易度が、多くの学生を色々な面で狂わせる。
・多浪したり、そもそも入学できない
・偏差値が高いというだけで入学
・長すぎる途中過程での燃え尽き
・学力優秀でも、社会性の欠如による失敗
上記以外にも、理数が得意なのに暗記中心の医学部の学習が苦手だったり、精神的に追い詰められたり、その他色々だ。
③:【大きすぎるリターン】
医師は、高い難易度に見合うリターンのある職でもある。
(もちろんデメリットも多数ある)
・食いっぱぐれない
・高収入高学歴
・厚い社会的信頼と尊敬
・他人からの感謝
これらは医師ならではの強みだといえる。
専門性の高い職は他にもあるが、こうした点ではやはり医師が最強だろう。
だが、それ故に一度医学部を目指してしまうと、
「他の職の魅力がよくわからなくなる」
という状態になりがちで、プライドが肥大化したり、肝心な人体や病態についての興味が2の次になったりと、危険な状態に繋がる。
【医師になるか迷ってしまう者の特徴3選】
※センシティブな内容を含みます
ここから、具体的に医師になるか迷う者が持ちがちな特徴を3つ紹介する。
特徴①:【親に言われて医学部に来た者】
誰にとっても、親の存在や価値観は大きな意味を持つ。
あなたの親は
・「将来安泰だから」
・「食いっぱぐれないから」
・「良い資格をとりあえず取れ」
などと言って、あなたに医学部を勧めてはいないだろうか。
あるいは
・親自身が医師で、他職種を見下している
・親が学歴や経済面でコンプレックス持ち
・親が子供の成績等に異常に神経質
等の特徴を持っていたり、
あなたの進路決定で揉めたり、あなたの進路を変えさせた経験はないだろうか。
⚠️上記が少しでも当てはまる人は危険である。⚠️
勿論親が上記の特徴を持っていても、素直に真っ直ぐ成長し、優秀な者も多数いる。
だが、俺自身の親にも当てはまる部分があるし、
上記のような親を持つ医学生は学業予後が不良である事が多い。
こうした親の特徴は、子供から主体性を奪う。
医学部に入っても医師になるべきか迷い、
他に行けば「医師になれなかった自分」に葛藤する
という具合に、打つ手無しの状況になりやすい。
↓これで痛ましい事件も起きている。
↓医師国家試験浪人する者に多い特徴でもある模様
特徴②:【お金や学歴を目当てに入学した者】
これは想像に難くないだろう。
確かに、医師は高収入高学歴である。
だが、学年が上がるにつれ
・一般的に医師の労働環境は悪い
・医療には世間に知られていない闇の部分がある
・思ったほど稼げない
といった事を誰もが察知し始める。
大学病院で実習するのも大きいだろう。
大学は、給料の低さ等で若手医師から嫌われている。
お金や学歴目的に入学した者は、人体や病気に対する興味が欠落していることが多い。
そういった者は、どこかでモチベーションを保てなくなりがちだ。
ここで、メディックメディアDr.盛永の言葉を記しておく。
特徴③:【常に自分探しをする癖がある者】
どこに行こうが、何をしようが、
今の環境に不満で、自分探しを辞められない者がいる。
そういう者は起業やら再受験やら色々検討する傾向にあるが…
地に足が付いておらず、学業も不振であることも多い。
自分の出来る範囲で最高の環境を目指すのは悪いことではないし、
むしろ人生はその為にあると言っても良いだろう。
だが、それは目の前の試験等から逃げる為の言い訳になっていないだろうか。
目の前のやるべきことをやって、
並行して自分探しをすることは出来ないだろうか?
付け加えると、別にあなたは特別な人間である必要はない。
【皆悩み、燃え尽きている】
ここまでは医師の仕事に魅力を感じなかったり、
燃え尽きがちな人の特徴を記してきた。
だが実は、半数以上の若手医師が燃え尽きを経験している。
医学生は、燃え尽きない方が難しいくらいの道を歩んでいる。
もし俺が上げたような特徴を持っていなくとも、
燃え尽きを感じるのは普通のことだ。
だから、
・医学に興味を持てなくなったり、
・周囲との温度差を感じたり、
・何も頑張りたくなかったり…
それでも、後ろめたさを感じたりしなくて良い。
ただ疲れているだけなのかもしれない。
一旦俺と一緒に、猫の画像見て苺パフェでも食べよう。
【全国の燃え尽き医学生・国試浪人生へ】
俺は今、医師国家試験浪人生だ。
ここまで偉そうなことを綴ってなんだが、20代無職だ。
俺は学歴至上主義的な歪んだ思想で入学し、
その後長い燃え尽きを経験している。
色々経験を積んで脱却したつもりだったが、
実はまだ長い燃え尽きの中にいるのかもしれない。
(学歴至上主義の思想は流石に消えたが)
そんな未熟過ぎる俺から言えることは、
冒頭にも記した4つだ。
①そもそも、医師免許のリターンを捨ててでもやりたいことはあるか?もしあるなら、今すぐやって欲しい。
②折角だし、初期研修までは終わらせよう(簡単ではないが)
③沢山悩んだ俺達だからこそ、良い医師になれるのかもしれない
④不純な理由だって良い。今頑張るのに、理由は要らない。
最後に、yahoo知恵袋にて、
「親から医師になるよう勧められ、
安定した生活を欲して入学するも、現状に疑問だ」
という女子医学生に対し、
先輩Drが素敵な回答をしていたので、これで締めくくる。
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