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【となりの家のはなし⑦】家族の風景~祖父母のこと(下)~

母には優秀な妹がいます。4人兄弟で初の大学生、いえばエリート。兄弟格差というやつで、祖母は妹だけをえこひいきして育てたようです。例えば、妹のおさがりを姉である母に着せたり。まぁ目立つの大好き!な祖母ですから、妹は人へ自慢アイテムですし当然と言えば当然です。しかし母にとっては大きな傷になったでしょう。

妹に対しては、やはり一方的ギブアンドテイクで、かわいがっているようで依存しているわけです。そんな扱いを妹が肌で感じていたのかどうだか、育てる上でキツく言えなかったのでしょうね。娘の世話を丸投げ、お金を出してもらうことはあたり前、それに嫌われたくないのかNOと言えない祖母。晩年は妹に財布も握られ、大好きなオロナミンCも、体に悪いと飲ませてもらえなかったようです。

一方姉である母は、祖父に懐いていたようですが、祖母から受ける不当な扱いが我慢できず、家を出て関西で就職し、父と出会うわけですが・・・。

うちはうちで家業が忙しくなり、私の世話役に祖父を田舎から呼び寄せるようになりました。一方妹にいい様に扱われる祖母は、なぜ自分は大阪に呼ばれないのかと母に聞きます。そこで初めて母が自分の態度で悩んで家を出たことを知り、泣いて詫びたそうです。ただ個人的には、華やかな大阪に行っておいしいものを食べられる祖父がうらやましかったんじゃないかと思っています。(私、性格わるし)

なぜなら、のど元過ぎればなんとやら。大阪に来ると、祖母がいかに不当な扱いを妹から受けたかをと母にグチるのを聞いて、「かわいそうに」と言う母。そして晩年、祖母にこっそりオロナミンCを田舎に送ったりしていました。

私、本人に言わない悪口が、この世で一番コトをややこしくする悪行だと思っています。母は父のグチを祖母に言い、「そりゃ〇〇(父)が悪い」と調子よく合わせるのですが、「だったらおばあちゃんから〇〇に注意してよ」と頼むと、「〇〇に嫌われたら大阪に来れなくなるからイヤ」と断ったそうで、娘のピンチより自分を優先する見事なアザと女子ぶり・・・。

もちろんこの話は母目線で、妹は妹で、母とは全く種類の異なる気苦労があったようです。ただ、祖母は祖母なりに娘たちは両方かわいかった。私たち孫は、「あんたらは別にかわいくない、娘がかわいいからあんたらの面倒を見てやってる」宣言を食らっています。そこは本人に言うか・・・(笑)

なんせ、クセしかない祖母で、たくましく生きた人なんだと思います。ただ一方で、あざといで子育てすると、娘はたまったもんじゃないってことだけは言えます。祖母からかわいがってもらえず、癒しを父に求めたけどおかどちがいで、結局依存の矛先が私に来たのですから、たまったもんじゃない、って今は笑ってこの文章かけてますから、ヨシとしましょうか。

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