ロマン死ック

雲は走る。
愉快な空を
僕は走る。
泥を撒き散らし
酸素はもう無い。
思い出は走る。
不安の脳を
僕は黙る。
ひとり川辺で
適当に思いついた歌を歌おう。
限られた音が勇気をくれる。
誰が来たって今はモーツァルト。
こびりついた泥はどうなっただろうか。
怒鳴る母の声も今はモーツァルト。
酸素が溶ける水滴を僕は零さない離さない。
青い空はどこへ走っていっただろうか。
真っ赤な空気は食べられるのかな。
どんなご飯も今は三ツ星レストラン。
夏の終わりのリビングで雑な素麺お母さん。
溶けた氷も今は三ツ星レストラン。
お花畑は今は要らない。
倒した花瓶。ちぎった花びら。
お花は怖い。昔から。
零れた水が走ってった。
広い床を
届いちゃった。

あぁ思い出のモーツァルト。
走ってる。走ってる。
お花畑が僕を迎えに

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