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カウチトーク レポート(2021-02)

カウチトークという、おしゃべりと勉強会の集合体のような少人数のコミュニティを2020年の後半から主催・運営しています。

カウチトークの今について

はじめてから約3ヶ月ほど経ちましたので少し現行やっていること・やってきたことを整理しておきたいと思います。

参加している人たちがみんなでなにかひとつのテーマの下に集まるというのではなく、個別のテーマを持った1on1(もしくは3人)のセッションが複数個フラットに並列であるようなコミュニティです。

今のところ主催の自分がコーチやサポーターとしてセッションをホストし、それぞれのセッションでプレーヤー(主役)となる人たちがテーマを持ち込むような流れになっています。

だから、僕が興味を持っていたり実績やスキルがあるカバー範囲と、プレーヤーの興味関心や目的・目標となるものがうまく重なった領域でトークセッションをしています。

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「今のところ」ですが、純粋にコーチングに近い内容では、次のようなテーマのセッションを行っています。

■ Pythonでプログラミングの基礎を身に着けてみる

カウチトークメンバーでプログラマーとして再就職を狙っているメンバー向けにコーチングを行っています。

プレーヤーは一度プログラマーとして1年ほど実務に就いていたのですが、プログラミングのスキルをしっかり身につける前に辞めてしまったという自己認識があります。この前提から出発して、「では、なにかプログラミング言語をひとつ、自分のネイティブ言語にできるようになってみましょう」という大雑把な計画を立てました。

プレーヤーといっしょに都内の大型書店に行き、テキスト選びから始めた思い出があります。書店だと、いろんな言語の本が一望できるので、言語ごとの特性や概要などを話すことができました。細かいところは無理ですが、これからしっかり学んでいこうとするプログラミングの世界観みたいなものを大きく捉えておくと、その中で自分がどの位置から出発すればいいか考えることができます。

Pythonに落ち着いたのは様々な要因があると思います。「今一番教科書が充実している言語」というのは大きいです。また、コーチである僕自身が自分のしごとでメインに使っている言語なので経験値を提供しやすい。

週イチで60分~90分ほどZOOMを使ってセッションをしています。教科書の流れに沿って線形に時間やカリキュラムを消化していくスタイルではなく、あっちへ行ったりこっちへ行ったりと行きつ戻りつぐねぐね進むスタイルです。ある意味で場当たり的なので、勉強するプレーヤーの自己管理・忍耐・モチベーション維持が必要になります。

僕はコーチとして俯瞰的にぐねぐね道を行ったり来たりしているプレーヤーを
 ・しっかり待つ
 ・付き添う
のが仕事だと思って取り組んでいます。

例えば「関数とはなにか、どう使うのか、このあたりの基礎を身に着けましょう」というのが今目指している中間ゴールだとすると、そこはしっかり握るんだけど変に近道はしない。一言で「関数」と言っても、いろんなことを理解しなければいけない。奥が深い。それと、関数をやろうとしたら、そもそもその前に理解しておかなければいけないこと(例えば「スコープ」とか「副作用」とか)があやふやだった、なんてことはザラにあります。

こういう場合に<線形に時間やカリキュラムを消化していくスタイル>では「それは前に教えたでしょう」ということで処理されて先に進んでしまいます。

<線形に時間やカリキュラムを消化していくスタイル>は学校のように集団で授業を受けるスキームならば止む終えないし正論なのですが、カウチトークはせっかく1on1のスタイルを採用しているので、徹底的にぐねぐねと回り道してもらいます。僕個人としての考え方だと、一生モノの知識を身に着けようと思ったら、この徹底的に考え抜くことから得られるブレイクスルーが必要だと思います。そうすると直観的な理解が得られ、もうその理解した概念を忘れることはありません。

例えば、

1 + 1 = ?

という式をぱっと見て、ほとんどの大人は「?」のところに「2」と答えられると思います。これが「直観的な理解」です。数字、+や=などの記号など、これらを生まれたときから知っている人はいません。たくさんの言語的・概念的「ぐねぐね」を経て、算数というものを理解したからこそ「ぱっと見て」計算できる、しかも、このように単純な計算スキルをそうそう簡単には忘れそうにないですよね。

なにかプログラミング言語をネイティブに身につけるとは、このようなレベルで文法や用法を脳に染み込ませることだと考えています。

だから敢えてコーチングはぐねぐねします。

■ JavaScriptでプログラミング基礎を復習しつつ、GASを勉強してみる

前述のPythonのセッションではZOOMでのコーチングを基軸にSlackで課題のやり取りをしてますが、こちらのJavaScript(以下JS)ではSlackのやり取りが基軸になります。というか今のところ、Slackでのやりとりオンリーですね。この辺はプレーヤーの働き方や個性で決まるところが大きいです。

ちなみにこちらのプレーヤーは現役プログラマですが、職場では別の言語を主に書いているとのことです。

JSのほうがPythonよりも若干やり取りのペースがゆったりしているので、Pythonで出した課題をJSの文法に置き換えて主題したりしてます。僕的にはリサイクルになります。

同じ課題でも、取り組む人が違えば発想法が違ういますし、解いていくプロセスも違います。JSとPythonという言語の違いは当然ありますが、個性により違いのほうがより大きいのだなという学びがありました。

ぐねぐね進むというスタイルはPythonと変わりません。まぁ、コーチが同じですからね、そこは仕方ない。

GAS(Google Apps Script)はかなり具体性のあるタスクをJSでプログラミングしていく分野になるので、JSの基礎を身に着けたことが現実味のある課題に落とし込みやすいと感じます。また、GASの仕様やドキュメントはコロコロ変わるので、そういう体質のプラットフォームと付き合っていくという「スキル」(忍耐力?)を磨く機会にもなるんじゃないかと思います。

そもそもでいうと、GASの日本語の本は今でこそいろいろ出始めていますが、やっぱり生のリアルな情報はWEB上のドキュメントに当たる必要があり、そのドキュメントは英語で書かれています。難しい英語ではないですが、日本語ネイティブにとっては直観的に理解しにくいものではあります。プログラミング言語を仕事に活かそうと思うと、どうしても英語の情報源との付き合いが発生します。こういう事情も課題の一つと捉えてトレーニングする場にも今後なっていくんじゃないかと踏んでます。

実際、僕自身、JS/GASの課題作成や解説のために、今まで以上にこの分野の英語ドキュメントを読むようになりました。これがプレーヤーにも伝搬する日が来るでしょう。

■ HTML・CSSの基礎を学んでみる

WEBサイトのデザイン面について理解を深めたいというプレーヤーのためにHTML・CSSの基礎を勉強してみようというセッションをやっています。

僕自身はデザイナーではないのですが、システム系の仕事をしていると、WEBサイトがどうやって表示されているのかなどは最低限押さえておく必要があったり、あと、デザイナーさんと打ち合わせをするときにHTML・CSSの技術的な背景などは理解しておく必要があります。そんなわけである意味必要最低限知っていることをシェアするような形でセッションしています。

デザイン的なセンスについてはむしろプレーヤーさんのほうが上で、しかも具体的なビジョンを持っていらっしゃる。ただ、その裏側の仕組みがブラックボックスになってしまっているので、じゃあ、そこをできる範囲で解説してみましょう、ということを今はやってます。

中間目標として今置いているのは「WEBページを読む」ことができるようになってみよう、と。

「見る」だけじゃなくて、「読む」。ソースを読んで理解する。

プレーヤーが実現してみたいデザインを実際のサイトで見つけたら、そのページのソースを開いて、そこに書いてあるHTML・CSSを実際に読んでみる。すると、分かっていたつもりで分かっていなかった = 読もうと思っても読めない!というところがたくさん出てくるわけです。

このように具体的な疑問点から出発して、プレーヤーの知識や理解に何が足りないのかを明確にし、プレーヤーが自律的に勉強を進める。で、僕はそれをサポートさせていただく、というスタイルでこちらはやってます。

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上に書いた3つのセッションのようなコーチングというスタイルよりは「おしゃべり」に近いスタイルで、自己開示や思考の深堀り・言語化に取り組んでいるセッションもあります。

■ がんサバイバー・くにさんとのトークセッション

パソコンシッターのまさみさんが縁をつないでくれたセッションがこちらです。

がんサバイバーであるくにさんの体験談や考え方などを引き出していこうという機会としてカウチトークを使っていただいています。

コンスタントに週イチでトークセッションは行っていて、そのたびに動画か録音で記録は残しています。

毎回かなり深ーーーい話になるのでめっちゃ面白いです。深いんだけど、深刻にはならないところがくにさんの人柄が出ていていいなぁと思っています。

こちらなかなか編集などの作業が追いついてませんが、徐々にアウトプットしていきたいと思います。

■ 本音屋ときをさんとのトークセッション

ときをさんとは月イチペースで話してます。

このセッションに限っては、どっちがコーチ/サポーターで、どっちがプレーヤーかという役割分担がありません。

どっちもプレーヤーという感覚です。

お互いに経験値や個性や居場所が当然違いますが、「人の話を聴く」ということを日常的にやっている者同士なので、この月イチのカウチトークではハメを外して言いたいことを言いまくろうという場にしています。

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このレポートの目的

レポートを書いてみて思ったのですが、これは自分のためのレポートだなと感じました。あとで振り返ってみたときに「あのときはこんなことをしていた」という振り返りができるためのものという位置づけで良いのでは、と。ダイエットの記録みたいなものですね。

SN

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