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超過干渉のポンコツ母が子どもの不登校をきっかけに生まれ変わった話


「早く起きなさい」
「早く寝なさい」
「宿題、まだ終わらないの?」
4年前の私は、小学生の娘に注意ばかりしていました。

「娘が周りに迷惑をかけないように。忘れ物しないように」という思いから、毎日ランドセルを開けて連絡帳をチェック。宿題のドリルのページを広げて1問まちがえると注意し、時間割までそろえてあげるほどの過干渉でした。

在宅で仕事をしていたため、娘の話はいつもうわの空。
「お母さん、遊ぼう」
と言われても、
「今、忙しいから、あとでね」
というばかりで、目も合わせずにパソコンに向かっているようなありさま。

「お母さん、ひどい!」
と言われても
「仕事だからしかたないでしょ」
と娘にがまんさせてばかり。家事と自分の仕事をこなすことに精一杯で娘とコミュニケーションをとる余裕すらなかったのです。

でも、それが子どもにとって悪いこととは少しも思わず、
(在宅で仕事をこなしながら、娘が困らないように世話をしてあげている。私ほど親切でいいお母さんはいないわ)
と思っていました。

ところが……


ある日突然、娘が不登校に

娘が小学4年生の6月。突然、
「頭がいたい……」
と言って、学校に行くのを嫌がるようになりました。

「そんなの気のせいだよ。学校に行ったらなんとかなるって」
と励まして学校に行かせましたが、娘はどんどん元気がなくなりました。頭痛だけでなく咳も出るようになり、欠席日数はどんどん増えていきました。

小児科、脳神経外科、耳鼻科、頭痛外来、整体……。
いろいろな病院に行っても娘の体調はよくならずに時間だけが過ぎていきます。

「まさか、うちの子が不登校に……」

目の前がまっくらになりました。悩みを誰にも打ち明けられず、ひとり孤独にネットで解決策を検索する日々。周りのママ友が幸せそうに見えて、近所の子が学校に行っている姿を見るたびにぎゅっと胸がしめつけられます。

「なんで、学校に行けないの? どうして勉強をしないの?」
学校や勉強の話をすると視線を落とし無言で涙を流す娘。そんな毎日のくり返しの中、
「このままでは、娘も私もダメになる。ひとりで頑張るのはもうやめよう
と感じて、私は不登校のお母さんが運営するオンラインのコミュニティに入ることにしました。

孤独な子育てからの脱出

zoomで開催されたお茶会に初めて参加した時は、緊張して声がふるえました。でも、そんな私にコミュニティのお母さんは優しく声をかけてくれました。

ひとりで悩んでいたんだ。つらかったね。私も苦しくてたまらない時期があったよ。でも、つらい時はいつまでも続かない。一緒にがんばろうね
と言われた瞬間、肩の力が抜けて涙があふれ出しました。

(ひとりでがんばらなくちゃいけない)
と孤独で凍りついていた心がとけていきました。人のあたたかさが身にしみました。

数秘術との出会い

コミュニティには子どもの不登校に悩むお母さん達が入っていました。その中でたまたま「数秘鑑定」のモニター募集をしていた方がいたため、私は何の気なしに数秘鑑定を申し込みました。

数秘鑑定を受けた日のことは今でも忘れられません。
誕生日と名前から導き出した私の数字と娘の数字は共通点がなくバラバラ。数字を読み解いてもらううちに、直感型の私とじっくり考えて行動したい娘は性格も、長所も短所もまるで違うことがわかったのです。

「親子でもこんなに違うんだ……」
あぜんとしている私に、鑑定をしてくれたお母さんは、
「そうだよ。親子だからといって同じじゃない。どちらがいいというわけでなく、ただタイプが違うだけ。私も数秘術を知ってから子育てがラクになったんだ
とにっこり笑いました。

穏やかな笑顔を見ながら、私は
(そうか。娘は私のおなかを借りて生まれてきただけ。私の生き方を押しつけても幸せになれるとは限らないんだ。私の意見を押しつけるのはもうやめよう)
と決意しました。

その後、「数秘術って面白い。自分でも数秘術を学んでみたい」と考えた私は、1年間の数秘講座に入り、数秘について詳しく学びました。数字の意味を深く知るうちに私は、娘のさまざまな個性を尊重できるようになり、干渉が減っていきました。

でも、私の干渉が減っても娘はいまひとつ元気にならず、会話も弾みません。
「私に何が足りないんだろう。何かできることはないだろうか?」
そんな思いでいた時に、コミュニティのお母さんが紹介してくれたのが、アドラー心理学「勇気づけ講座」でした。

アドラー心理学「勇気づけ講座」に出会う

子どもは親の言うことを聞くもの。

「勇気づけ講座」を学ぶまで、私は心のどこかでそう思っていました。私自身が自分の意見を言わずに両親のいうことを聞く子どもだったからです。

でも、「勇気づけ講座」では、親子を上下関係で見ずに横の関係で考えます。子どもの心を親の愛でいっぱいにして、勇気をもって行動していけるように毎日子どもを認める声かけをします。

「勇気づけ講座」では毎回、新たな発見がありました。
「えっ! 家族って、話し合いをしながら関係をつくっていくものなの?」
私が生まれ育った家族はコミュニケーションに乏しく、みんなが怒るように会話をしていたため、私は穏やかな会話のしかたを知らなかったことに気づきました。私の中の「常識」が音を立てて崩れ落ちていきます。
「そうか。私は家族関係の作り方を知らなかっただけなんだ。それならしっかり学んでみよう」

講座の宿題に8週間、毎日取り組みました。
娘との会話に注目して、私のどんな発言にどんな返事や表情をしたかを記録。娘の感情の地雷がどこにあるのかを観察しました。
毎日、観察するうちに、娘の思考や感情のクセがわかってきました。
そして娘の話を聴き、認める声かけを繰り返すうちに娘が変わり始めたのです。

娘が夢を語り始めた!

「将来はアニメを創ってみたいなぁ」
4週間が過ぎるころ、娘が自分のやりたいことをぽつりぽつりと話すようになり、自分から行動するようになりました。私の指示ではなく娘の思いのままに、娘のペースで。その姿を見て、私が今までいかに娘を見ずに自分本位の子育てをしていたかを知りました。

「子どもが周りに迷惑をかけないように。忘れ物しないように」
それはすべて私のエゴでした。
娘に失敗をさせたくなくて、娘が自分で考えて行動をする前に指示ばかりしていました。

でも、親の本当の役割は子どもの体験を奪うことではない。子どもが自分で考えて行動し自立する力をつけることだと気づき、ハッとしたのです。

講座終了後も娘を尊重して認める子育てをコツコツ続けているうちに親子関係がよくなり、会話が弾むようになりました。

そんな時に娘が言ったひとことは今でも忘れられません。
「昔のママは自分勝手で、死んでほしいくらい嫌いだった。でも、今のママは好きだよ」

これからのこと

超過干渉だった私ですが、数秘術と「アドラー心理学」に出会ったことで娘を尊重できるようになり親子関係がよくなりました。不登校だった娘も前向きになり、高校受験という目標に向けて勉強をはじめています。

今、私は自分の経験を生かし、お子さんの不登校で悩むお母さんに向けて数秘鑑定やアドラー心理学「勇気づけ講座」、zoomでのお茶会を開催しています。

過去に育児に悩み孤独だった私がコミュニティのお母さん達に救われたように、今度は私がお子さんの不登校で悩むお母さんたちを応援していきたいと思います。


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