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②頭からずっと離れない嫌な出来事→スッキリする《解説します》 【心理セラピー】

前回はずっと離れない嫌な出来事 → スッキリする
を3つのテーマに分け、そして、まず②の離れないへのアプローチをお伝えしました。(前回の内容は、下記の②離れないをクリック)

①ずっと
②離れない
③嫌な出来事

今回は、①のずっとにフォーカスをあててみます。

①「ずっと」と言う無意識にかけているフレーム

あの嫌な出来事をずっと考えてしまうんだ。

今だにずっと癒えない傷がある。

ずっと悩み続けている・・など。

例えば、前回の例を出しますと

上司にはげしく怒られてしまった人で、それからというもの上司の顔が常に頭に浮かび、夜もそのことを考えてしまい眠れなくなり、会社に行くのがつらく怖くなり、怒られたときのイメージがずっと残ってしまい、体調まで崩してしまいました。

この方はずっと嫌な出来事に悩まされていたそうです。

過去にパソコン作業でひどく叱責された方がいました。その方は今でもパソコン作業をしたいのにパソコンを見るだけでつらい気持ちになり手が動かなくなり、叱責されたことを思い出して苦しくなってました。

この方はずっと苦しさを感じていたそうです。

ところが・・・ケガした時はどうでしょうか?

僕は子供のころ転んで擦りむいたことがたくさんありました。また足をぶつけて軽くヒビが入ってしまったこともありました。

つい一ヶ月前も、口元を切ってしまいました。

ですが、今はすっかり治って、そのことを考えたり悩まされることはありません。

なぜ過去の嫌な出来事を、今の苦しみにしてしまうのでしょうか?
それは過去の嫌な出来事を”今の出来事のように“考えてしまうからです。

例えば、僕たちは日常の会話でも、
・昨日ことを思い出して話したり
・明日を想像して話したり
・また学生時代を思い出して話したり
・目の前の出来事を話したり
・未来を想像したり

頭の中は意識でも無意識でも、たえず時間軸を行き来しています。

それができるということは、過去の嫌な出来事も無意識に今の問題のように話していることがあるということです。

その代表的なのが、ずっと・・・・なのです。

嫌な出来事をふと思い出すと、無意識は一瞬にして過去のその時の自分に戻り

その時の感情を蘇えらせ

またはその時の映像を鮮明に思い浮かべ

またはその時の音や声が聞こえてくる人もいます。

体験が強いほどしっかり残っていますので、嫌な出来事が嫌であるほどより強く記憶されています。

脳は想像と現実の区別がつかないとも言われてます。
だとすると嫌な出来事を思い出すたびに、あたかもずっと続いているような錯覚に陥ります。

そして、その状態を言葉にする時に「ずっと」と言う魔法の言葉を自分でかけてしまい、嫌な出来事をずっと持ちつづけているように自分で言い聞かせている場合があるのです。

ですが、ご安心ください。

「ずっと」の魔法がとける、とても簡単は方法があります。

それは

①現在進行形の錯覚から切り離す

※シンプルにするために英語でつかう現在進行形と過去形の考え方を例えに使って説明します。

ずっと、まだまだ、いつも、など現在進行形を思わせる言い方を無意識に使っている人は、過去形に変えてしまいましょう。

例えば、こんなふうにメンタルコーチやカウンセラー、心理セラピストの方はガイドしていきます。

クライアントさん
「頭からずっと離れない嫌な出来事があるんだよね」

メンタルコーチ
「頭からずっと離れない嫌な出来事があるのですね」

まずは傾聴と承認を行ないます。

クライアントさん
「はい」

メンタルコーチ
「頭からずっと離れない嫌な出来事があったのいつですか?」

・・・ここで過去形に変えてしまいます。(現在進行形から過去形へのペース&リードを行います)
「頭からずっと(現在進行形)離れない嫌な出来事があった(過去形)のはいつですか?」
このように質問をしていきます。

クライアントさん
「5年前の仕事の時に・・・」

・・・切り離せてきました。

メンタルコーチ
「5年前の出来事だった(過去)んですね。その時はどう感じていた(過去)のですか?またどのように受けとっていた(過去)のですか?」

などなど

・・・全部、過去形として質問していきます。

クライアントさん
「あの時は、〇〇だったので・・・」

・・・こうなれば「ずっと」だったのが、「あの時は〜だった」に変わっていますので、ほぼ切り離せました。

こんなガイドをサラッと行うだけで、クライアントさんは「ずっと」の魔法から解けて、心や身体が楽になっていく人を何人も見てきました。

過去の出来事になると客観的に見ることができ、また今、継続して起きている問題ではないんだ、ということに気づき視点を切り替えることができます。

そしてこの状態になってから整えるワークを行ったり、ゴールを設定をすると、クライアントさんがよりスッキリしながら前を向けるようになります。

とても大事な注意点があります。

それは、メンタルコーチ、カウンセラー、心理セラピスト側が過去の問題をつい現在進行形のようにアドバイスしてしまうこと。

例をあげると

あなたは、ずっと、それを持ちつづけているから、いつまでも〇〇なんですね。とか

あなたは、まだまだ〇〇が取れていないから、これからもサポートする必要がありますね。など

傾聴し承認しているのでラポールができています。
するとクライアントさんもつい「はい」と言ってしまいます。

クライアントさんは悩みや苦しみから癒され、解放されたくて相談に来ている方が多いです。

ですのでサポートする側が、クライアントさんに問題をずっと持ちつづけさせるような言葉のフレームを、無意識にかけないようにすることが重要です。

悩みを癒し、ゴールをつくり、伴奏し、自立させる
このようなことを目的にされているメンタルコーチ、カウンセラー、心理セラピストにおすすめしている
言葉を使った時間軸を移動させるシンプルな心理セラピーでした。

最後までお読みいただきありがとうございました🙇‍♂️


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代表 淺野高広
NLPトレーナー/ヒプノセラピスト
「NLP心理セラピスト養成講座」講師

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