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それで、0点(5)~いらない縁~
(実在の成功者達をモデルにし、ひとりの人物「先生」として描く小説です)
3日経っても田中君からは何の連絡もなく、逆に智子からは「あんた本当にバカだね!だから言ったじゃん」といった感じのメッセージが何通も来ていた。それに返信するのももう面倒で放置していた。
私がメッセージを読んだことが相手にわかる機能って、こういう時は特にいらないと思ってしまう。でも、これだけスルーしていたら、既読したことが通
それで、0点 (1)
(実在の成功者達をモデルにし、ひとりの人物「先生」として描く小説です)
「御厨さんって、おじさんだよね」
渋谷のとあるお店でうな重を一緒にいただいている時、先生は唐突にそう言った。
いや、唐突に感じたのは私の方であって、先生からしたら自然な流れだったのだと思う。ずっと思っていたことが言葉になるようなことが起きた(私がやった)に違いない。
「え、私、おじさんですかっ?」
「御厨さんに限
成功者の好むものを好むべし:マニキュアを塗る
(実在の成功者モデルたちをひとりの人物「先生」として描く小説です)
コートダジュールの海を見下ろせるヴィラの一階のテラスに出てマニキュアを塗っていると、向こうから足音が近づいて来た。
「なにしてんの?」
ライトブルーのジャケットに白とブルーのストライプのネクタイを合わせた高橋さんが、中身がいっぱいに詰まったショッピングバッグを両手に持ってやってきた。
「マニキュアを塗っているところです
成功者の好むものを好むべし:リラックマのスマホケース?!
(実在の成功者モデルたちをひとりの人物「先生」として描く小説です)
先生とカフェに入って、先生のオーダーしたバナナスプリットとピーチメルバを待っている。
何を隠そう、この時間は私にとっては試練の時。
何が試練かと言うと、会話!
私には先生と共有する話題がないのである。
生きている人生の違いをひしひしと感じながら困っていると、先生の方から口を開いてくれた。
「その携帯ケースは、色
言い方は大事ではない。
(実在の成功者モデルたちをひとりの人物「先生」として描く小説です)
「言い方って、あるよねー」
「そうだよね、もっと丁寧に言えないのかなぁ?!」
先生と入ったカフェの一角に腰を落ち着けると、斜め後ろの席からそんな声が聞こえて来た。私からは死角になっていて姿は見えないけれど、30代半ばの女性ふたりだと感じた。
先生はそちらに一瞬視線をやって、フッと口元を緩ませた。
バカにしているわけで