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今週のMornin#61

蝉の声、夏の叫び


名前は忘れた、ということにしておく。文京区のとある庭園の横を通り過ぎた時に今年初めての蝉の鳴き声が聞こえた。でもまだ梅雨だったろうと思いつつ、わりにその日は湿度が低くてカラッとした暑さで確かに夏っぽい日だった。坂を登りながら聞こえるそれにほんのちょっと眩暈がしたけれど、ふと蝉の鳴き声って夏の叫び声のようだと感じた。春は突然吹き上げる強風がそれにあたり、秋の音は鈴虫、冬は雪を踏み締める音や、荒々しい海の波音、だと思う。生きているからこそだと思えばその通りで、逆に言えば音が出なくなることが死の一つだと思う。無機質に思われない「音」に、情緒を含めたあらゆる価値を感じて、昔の人は詩や短歌を詠んだり、絵にしたためたりするのだろう。人生で大事にしていることの一つに無機物を愛するということがある。人間に自分の機嫌を左右されるのが億劫になったからこそ、対になるそれらが途端に愛おしく見えたからだ。胸を張って、それらには愛していると言えるような自分でありたいと思う。そういうものに魂が写っていたりするものだと祈りをするようで。

2023 夏 Film

今週のMornin


ailing

写真の感想


おしゃれに言うと夕立、最近の言葉だとゲリラ豪雨とか線状降水帯とか。その合間に見えた夕方の空。雲の切れ間、最寄駅から見上げた空。露出を変えて何枚か撮った。この雲の切れ間が自分の見ている、見ていたい、見るべき露出になるように。写真で1番配慮をするところは露出だと思う。順番は常にそうじゃないけれど、被写体を定めて露出を決めてから構図を整えることも多い。今回はそうだった。だいたい、狙っている露出まで下げることが多い。やっぱり静かで暗い写真が好きだ。電線は静かなナイフだと思う。長い蛍光灯は光のナイフ、いろいろ名前をつけるのが好きな性格なのがよく分かる。

明るめに撮り始めていた


漢方


最近漢方を飲み始めて、めんどくさくてしばらく飲んだり、飲まなかったりをしている。飲んでいるとなんとなく効いている気もするし、飲まなければ症状が少し角を出す感じもする。だから仕方ないまた飲むかと思いながら薬を買う。こういうのを一つお守りと言うんだろうなと思った。でももう少しお財布に優しいとありがたいな。お守りがなくても生きられるようになればいいのかもしれないけれど、お守りって仕方なく買うよりも何かを祈って願って買うものだと思うから、せめて次買うときはそういう気持ちを込めようと思う。よくわからない思考回路で、結構な頻度で最後は前向きに考え直せるのは、自分の数少ないであろういいところの一つだと思う。

shadow



夏はアイス、秋は焼き芋、冬はおでん、春はさくらもちを食べます