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カカオの重み~チョコレートに思ふこと

今日はバレンタインです。今年は幻といわれるカカオ。ホワイトカカオを原材料としたチョコレートを購入。カカオ分70%。とてもおいしく(すでに)いただきました。

そして、チョコレートを食べるたびに、カカオ農園で働く子供たちを思い出します。「児童労働」という実態があることを忘れてはいけないと思っています。
何年か前(何十年!?)にテレビで知りましたが、「チョコレートの真実」(キャロル・オフ著2007年)という本もあるようです。


動画のカカオ農園で働く子どもたちは自分たちが育てた豆から何が作られるのか知りません。チョコレートが何なのかさえも知りません。

そして、労働で学校に行けないコフィ(6歳)の「学校に行きたい」という想いは学生時代に衝撃を受けたドキュメンタリー、スモーキーマウンテン(ゴミ山)を題材にした映画「忘れられた子供たち」(1995年)に出てくる子どもたちとも重なります。

記憶があいまいですが、別の番組で観たゴミの中からお金になる物を売り、家族のためにわずかな収入を得て暮らす女の子。そのゴミの中から宝石を見つけたように読み物の端切れを見つけると、拾って一生懸命に文字の勉強をしていた映像を記憶しています。
そんな、劣悪な環境の中でもコフィと同じ、「勉強がしたい」という女の子の想いが印象的でした。

今日は子どもたちのために「わたしたちにできること」を考えてみたいと思いました。


ここでアブラハム・マズロー(1908~1970)が唱えた「マズローの欲求5段階説」を紹介します。

マズローの欲求5段階説はアブラハム・マズロー(1908~1970)が人間の基本的欲求を「5段階のピラミッド」で表した理論です。基本的には低次の欲求から現れ、その欲求がある程度満たされると一つ上の高次の欲求を欲します。

マズローは「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と唱えたことから自己実現理論とも言われています。
そして自己実現ができる人間がもっと大勢いれば世界は変わると論じています。自己実現する人間が生まれやすい社会を築き上げる努力をするべきだというのです。
晩年、マズローは5段階の欲求階層の上に、さらにもう一つの段階があると発表しました。それが、自己超越 (自己超克)の段階です。
心理学大図鑑(三省堂)によると自己超越(自己超克)は「他者を助け、自分の外部にあるなにかとつながる」となっています。


アペティ(11歳)とコフィ(6歳)兄弟、ゴミ山でゴミを拾う女の子は低次の欲求すら充分に満たされていない状況です。ただ、そんな辛い境遇でありながも「学校に行きたい」「勉強したい」という欲求がありました。
そしてチョコレートがどんな食べ物かを知りたいとおもったアペティ、女の子が書物を読みたいという欲求があります。これは知識を得て周囲から認められたいという承認欲求にあたります。
さらにはアペティ、コフィはそれぞれ将来の夢を「大工」「トラックの運転手」と語ります。夢を抱くだけでなく、この夢に向かって進むことは自己実現欲求になります。

マズローは「人間は、自分がなれると思ったのもにならねばならない」と主張しており、人間の使命とも感じます。
理想と現実を一致させていくために、この言葉は大人たちが子どもたちのためにしなければいけないことが見えてきませんか。アペティ、コフィの夢が叶うように。自己実現欲求を育てられるように。そして自分自身にも。


低次の生理的欲求と安全の欲求は物資を提供したり募金をしたりと比較的、イメージしやすく行いやすいです。
私たち大人が今後していかなくてはいけないこと。それは社会的欲求を満たしてあげること。愛情と所属の欲求とも言われ、「家族に愛されたい」「友達が欲しい」「会社に所属したい」という欲求です。
家族を作ってあげるのは難しいにしてもコミュニティなどの居場所づくり(社会的欲求) はできそうです(いえ、応援はできそうです)
そして、知識や能力を他人から賞賛・承認されたり(尊厳欲求)、ありのままの自分を受け入れられる自身との対話(自分への承認欲求)をうながす。
それが自己実現へと近づくことがきる夢が叶う原動力になります。

「社会的欲求」「尊厳欲求(承認欲求)」を満たし続けてあげるのは容易ではありません。
学生時代のボランティアではタイの学校づくりをお手伝いをしましたが、学校を作るだけでは終わりではないのです。
学校が壊れたりしたときに自分たちで修繕できる技術も必要。ということをはじめて知ったと記憶しています。

どなたに聞いたか定かではありませんが、識字率(文字の理解や読み書きができる人の割合)が低い国の母親に粉ミルクを供給したところ、粉ミルクと勘違いして、毒の粉を飲ませてしまったというエピソードを教えてくれ、粉ミルクを提供するだけで終わらせてはいけない。ということを学んだ記憶があります。
文字の読み書きができないことへの弊害が最悪な状況を招いてしまうこと、文字が読み書きできることの有難みを感じたのを思い出します(日本の識字率は99%です)
提供したら終わりではない、その先も、ずっと先もサポートする必要があります。

コミュニティも同じ。作ることがゴールではない。継続していくこと、そこから自分の特性や強みを見出していく、見出してあげることも自己実現には必要です。だから、難しいんですね。きっと。


よく、大人たちは「承認欲求」に支配されているということが言われています。
これは子どもの頃に承認欲求が満たされないと大人になって支配されるのです。

とはいえ、子どもの頃から社会的欲求や尊厳欲求を満たし続けてあげることは簡単にはいきません。
なので、わたしたちが身近にできること一つ目は「知ること」から始める。

そして、自分自身が承認欲求に惑わされず、自己実現をめざしていく。
それが「わたしたちにできること」の二つめです。


最後にチョコレートの効能について。
幸せホルモンと言われるセロトニンの材料のトリプトファンが含まれています。
カカオ成分の高いチョコレートは便通改善、美容効果、認知症予防もあるようです。
そして、三つめにできること。
チョコレートを口にすることができる環境に感謝し、まずはわたしたちが
心も身体も元氣でいることが大切であると思います。

もっとできる人は居場所づくりや賞賛や承認しつづけられるしくみづくりをお願いしたいです。

それにしても、人口の2パーセントしか到達することができないと言われている「自己超越」ができる人にもお会いしてみたいですね!


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