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エッセイ【カタカナだらけで何言ってるかわからない】

アートとサイエンスのバランス、正解のコモディティ化、アカウンタビリティの格差。カタカナカタカナカタカナ。

これって、なんか娘の高校時代の担任の話を聞いているような……
高校のデザイン科を卒業して現在は社会人として働いている娘に、
「ねえ、アートとサイエンスのバランス。イノベーションのその先、パースペクティブを持たないうんぬんかんぬんで、誰かを思い出さない?」
と聞いてみる。
「おお!N先生だ(笑)カタカナだらけで何言ってるかわっかんないの!!」

さて先日、娘と二人で「箱根本箱」というホテルに泊まってきた。チェックインの時ホテルの方に、「あれ、前もこちらを利用してくださったことありますよね?」と聞かれたけど、いやいやここに来たの初めてです。数年前から計画していてやっと来られたんです。
なぜか昔から「あれ?昨日もいらしてましたよね?」「こないだも来てましたよね?」など旅先で知らない人に声をかけられることがある。楽しみな気持ちが強すぎて生霊でも先に飛ばしてるんだろうか。

そんなことを考えている私をよそに、娘がホテルの方と
「グッドデザイン展でこちらを知ったんです。リノベーションの素晴らしさで、グッドデザイン賞とったんですよね」
「そうなんです。もとは日販の保養所だった建物をリノベーションして作った書店付きライフスタイルホテルで……」
などと話をしてる。その横で、リノベーション、イノベーション違いはなんだ?リノベーションを日本語に直すとなに?となる。

「箱根本箱」で読書三昧を楽しむ私と、ホテル内あちこちのデザインの素晴らしさに感心しまくりの娘。一万二千冊の本があり温泉に入れて美味しい料理が食べられる。本屋じゃない図書館でもない、温泉宿でもなければレストランでもない。
HPを確認してみると「建物をリノベーションして作った書店付きライフスタイルホテル。本をテーマにしたインタラクティブ・メディアホテル」と書かれていて、さらに私の頭は混乱する。インタラクティブ・メディアホテルってなに~!?

ま、私は読書と温泉、そして美味しいお料理が楽しめれば、カタカナのことは忘れてても、いっか。


*このエッセイを書いたのは2022年7月。この年の6月にブックホテル「箱根本箱」に初めて泊まりに行きました。それ以降、毎年「箱根本箱」に行っています。

★今年書いた「箱根本箱」宿泊レポは↓

★エッセイの元になった課題本

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