アップストリーム営業術 『40話』  最終回

こんにちは、営業マン社長です。
約1カ月半にわたり、ノートを更新してきました。
初めての試みで、とりあえず知っていることや経験の中で学んだことをここに書き綴ってきました。

このまま、現在において伝えたいことは伝えきれいるので、ダラダラと続けるよりはここで一区切りにしたいと思います。また、機会があれば再開し、お役に立つ情報を提供できればと思います。

さて、最後のテーマは、アップストリーム営業術です。

これは私の日々の中で、失敗と成功を繰り返しながら、ただひたすらに、会社の経営状況を改善したい一心でやってきた営業方法です。

この方法は基本的に、トップである社長が営業する事でその効果は飛躍的に高まります。

ポイントは三点です。

⓵誰よりも早く、社長が有益な情報を得る。
⓶そのために社長が営業に行く、自分の目で確かめる。
③仕入れた情報をスピーディーに処理する。

①上流で情報をくみ取る

アップストリームとは、川の上流のことです。
川の水を有益な情報と考えた時に、その情報を一番早い、湧き出てくる上流で汲み取る、それを決裁権を持つ社長が入手するところにポイントがあります。その後の選択幅が広がり、ライバルより圧倒的に有利な立場になります。

例えば、
ライバル社の新商品情報、
市場の今後の新システムなど
業界の最新機械の情報
取引先の担当者の交代

このような営業に関わることでも、部下から聞くことと自分が見ることでは、情報の見方が変わります。

②社長の目線、部下の目線

 社長は会社の将来を一身に背負います。自分の会社で、自分が全ての責任を取ります。頑張れば自分の給料をあげれますし、下がるのも自分次第。 

あなたの会社で社長以上に会社のことを考える人はいません。だからこそ社長です。つまり、売り上げを上げて、社員を食べさせていくため、社長以上のモチベーションを持って、営業できる人はいません。そんなわけで、社長は現場に出れば、情報を社長の目線で、見ることができます。

一方、部下の目線は、どこまでいっても社長以上にはなることはないです。なぜなら、部下は優秀なら自分で自分の会社を作り独立できます。または、別会社に転職できます。部下が考えていることは、良いにつけ、悪いにつけ、部下が思う会社への貢献であって、社長が本当に望むことと必ずしも一致しないと思います。しかし、それは、否定されるものでなく、役割分担です。

だからこそ、社長は自分以上に素晴らしい営業マンには、なり得ないということを前提に部下に仕事を任せているという認識が大切で、彼らが持ってくる情報は、彼らのフィルター『価値観』越しの情報です。

つまり、視野の広さ、責任感、モチベーションは社長とは違います。だからこそ社長が営業に出る意味は大きいです。なぜなら、自分の目で確かめるからです。そして、社長が営業に出ないなら、前述の通り、部下から上がる情報はフィルター越しということは認識しなければなりません。

例えるなら、ある機材が500万円だとしましょう。これをもし買うことができれば、営業がすごく変わるとしましょう。売上も極端に上がる可能性があるとします。これを部下が現場で見た場合、社長に報告するかどうかは、不明です。部下にとって大切なことは、自分の責任の範囲内の売り上げの向上であって、500万の投資の善悪を社長目線で考えることは求められていません。中にはちゃんと教えてくれる部下もいるでしょう。それでも、そもそも彼らにそれを報告する義務はなく、気付かない、気づく必要がないということも言えます。

ところが同じものを社長が見たらどうでしょう。本気で購入を考える可能性があります。そして、これは投資案件になります。成果が上がらない場合の責任も発生します。投資というのは、良くもなるが悪くもなる案件です。とても、一般の営業マンの判断で決済を下せません。ところが社長ならどうでしょうか?決断できます。しかもここぞというときは即決だってできます。これが社長の特権です。

③社長の特命任務!

営業→有益情報の収集→仕入れ、または商品開発の流れ。

中小企業の社長は、ルーティン以外の仕入れは、自分が中心となり、素早く処理することが大切です。

お話しした通り、社長の目線で、素早く有益な情報を手にしたら、それをスピーディーに処理すること。単純なことです。

社長が営業にでて、有益情報を得て、それを仕入れや商品開発に利用します。

例えば、ライバル会社が、作っているすごく売れている良い商品があるとします。その商品が絶対に売れるとわかれば、それと類似品を検索して、その類似品を作っている会社と連絡を取り、試作品を作ります。その際、単価にもよりますが、自信があるなら、その元になったライバルの商品を購入して、分解して、分析したのちに、さらに改良して、品質で上回るものを作ります。そして、それをその商品を最初に開発したライバル会社がまだ展開していない取引先に先に展開します。

たったこれだけのことですが、とても有効です。

この一連の流れは、社長が素早くやります。

商品開発部や営業部、仕入れ部などは通さず、さっさとやってしまいます。

一度、出来上がった商品を改良するのは他部署に任せても良いでしょう。ただ、これのポイントは、社長の判断力と投資に対する意識、処理能力です。

それさえわかれば、誰でもできます。

そして、この方法はライバルの売れている商品が元になっています。ですから同業市場なら、大きく的が外れ、売れなくなるとは考えにくいです。全く経験のない商品を、ゼロから作り出すことは、試作品を作り、試験をして、初めて商品化します。その場合、リスクも時間もかかります。でも、他社の商品を改良するなら、既存の物の改良になり、時間もリスクも大幅に減ります。

④真似てなんぼ!

 私は常々思っていることがあります。コロンブスの卵のように、誰かが何かを初めてしたことがとても尊敬されます。しかし、ビジネスにおいては初めてすることよりも、2,3番目にやったとして、初めを上回れば、そっちの勝ちということ。つまり、それは別の会社がすでにやっているということが重要ではなくて、それを上回れるかが重要です。

 松下電器の松下会長は、ソニーで開発された新商品を、常にチェックして、それに改良を加え、ソニーを出し抜いていたとか。我々もこれに習い、ライバルにアイデアを出させ、自分たちは真似るテクニックで相手を上回る方が、簡単です。

私はこのアップストリーム営業で、多くの市場をライバルから取ってきました。

今まで10社だっと取引先を56社にしました。この業績の大部分は、アップストリームで取ってきました。

それは私が経営者であり、営業マンだったからだと思います。

中小企業の社長で、営業に困っている人は、ぜひやってみてください。この方法に劣化はありません。いつの世でも有益情報の入手と素早い処理能力が有れば、誰でもできます。

⑤信長公から学ぶ、情報戦

しつこいですが、もう一つ例をあげると、
私が愛知県出身なので、信長公を例えにしましょう。
信長は、敵の大将である今川義元の首、ただ一つをとるために、部下を四方八方に散らし、逐一情報を入手していました。そして、敵の義元が守り難いといわれる場所である桶狭間にいるという情報を元に、その発信源の近くに布陣して、相手に気づかれないまま、あっというまに、一気に攻めて勝ちました。そして、当時としては異例ですが、首を取った部下よりも、義元が桶狭間にいると伝えた部下を一番手柄にしたそうです。

信長が勝った要因は色々あると思います。その中でも本人自身が情報を最重要と思っていたことを物語っています。

歴史を振り返れば、勝者と情報というのは、密接な関係で極めて重要です。企業間通しの戦いも情報戦が大切です。

以上のような戦略がアップストリーム営業術です。

⑥終わりに

そんなわけで、40回にわたり書きましたが、参考になれば何よりです。

営業は会社の生命線、社長の皆さんであれば、逃げずに自ら営業に飛び込んでください。

社長でない方は、自分なりの営業術を体系化して、より給料の良い会社を目指すか、独立して、その営業力をお金に変えてください!

機会があれば、また書きます。

読んでいただいた全ての皆様に感謝です。

営業マン社長でした。

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