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ReproducibiliTea Tokyo

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近年話題の科学における信頼性革命 (再現可能性危機) に関する話題を、心理学を中心に紹介していきます。https://twitter.com/repTeaTokyo
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記事一覧

プレレジポスター(研究計画ポスター)やってみた

プレレジポスター(研究計画ポスター)やってみた

「やってみた」と言っても「発表してみた」という意味ではありません。「募集してみた」という話です。2021年12月4日〜5日にオンライン開催した日本人間行動進化学会(HBES-J)の第14回大会にて「研究計画ポスター」というカテゴリを設けて発表を募集してみた顛末を、後世のために記録として残す、という記事です。

*記事内における意見は平石個人のものであり、同大会の運営チームを代表するものではないこと

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Beth Morlingさん招待講演 Q&A

Beth Morlingさん招待講演 Q&A

2021年8月開催の日本社会心理学会第62回大会において、Beth Morilng先生(デラウェア大学)に "Teaching social psychology after the replication crisis" (「再現性危機後の社会心理学教育」)と題して講演していただきました。

Morilng先生は、再現性問題も踏まえた心理学研究法の教科書 "Research Methods in

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Door-In-The-Faceが追試成功したという話

Door-In-The-Faceが追試成功したという話

泣く子も黙るドア・イン・ザ・フェイスが追試に成功したという話を耳にしたので論文を読んでみたので簡単にポイントをメモしておくことにしました。分かってる人向けに誇張して書いてますので、良い子は原典を読もうね。

ドア・イン・ザ・フェイスとは?あれです。人に頼み事する時に、10を頼みたいなら、まず100くらい無茶苦茶な要求をして、断られてから「じゃぁ、10ならOK?」って頼むと、引き受けてもらいやすくな

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社会心理学は社会に提言できるか(1)

社会心理学は社会に提言できるか(1)

Covid-19下の社会で社会心理学者は何を考える?

2021年8月開催の日本社会心理学会第62回大会(帝京大学、オンライン開催、2021/8/26-27)において、Covid-19パンデミックを受けて「新型コロナウィルス1」「新型コロナウィルス2」というポスターセッションが設定されました。この機会を捉え、同セッションでの報告者に、社会心理学と社会の関係を問う、質問を投げさせていただきました(質

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非認知能力とGritは本当に有効か?

非認知能力とGritは本当に有効か?

この記事は、慶應義塾・社会学研究科の開講科目「社会心理学特論 I :心理学方法論の新展開」での課題活動と、ReproducibiliTea Tokyo の活動の一環として、まとめられたものです。ReproducibiliTea は、信頼できる科学を目指す、国際的な草の根ジャーナルクラブ活動で、Tokyo は文字通り、その東京バージョンです。各記事の対象論文の選定ならびに記事内容には、執筆者を含む参

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信頼できる心理学になるための9つのステップ― コロナ禍に対する政策に心理学は提言できるのか?―

信頼できる心理学になるための9つのステップ― コロナ禍に対する政策に心理学は提言できるのか?―

本記事は ReproductibiliTea Tokyo の活動の一環として、心理学における再現性に関する論文の解説記事となっております。(詳しくはこちらのエントリーご覧ください)。今回は IJZerman らによる “Psychological Science is Not Yet a Crisis-Ready Discipline” を紹介します。記事の構成は論文の内容のまとめとそれに対する本

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Welcome to ReproducibiliTea Tokyo!

Welcome to ReproducibiliTea Tokyo!

2010年代以降、心理学を中心に、研究結果の再現可能性を高めようという運動が起きています。私たちはこれを、信頼性革命 credibility revolution と呼んでいます (Vazire 2018)。当初はもっと悲観的に、再現可能性危機 reproducibility /replication crisis と呼んでいたのですが、色々と解決策も提案され、実装されるようになってきたので、もっ

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