良い文章を書く上で、テクニックより大事なこと
良い文章を書けるようになりたい。noteに限らず、普段の仕事においても良い文章が書けるようになれば、それだけで一つのスキルになる。
では、どうすれば良い文章を書けるようになるのか?どんなテクニックを身につければ良いのか?そんなことを考えていた時、たまたま何かのブログで下記の本を見つけた。
著者は、「encollege小論文」の編集長として、高校生の考える力・書く力の育成に尽力し、現在は独立し講演や執筆活動をされている山田ズーニーさん。ほぼ日で「おとなの小論文教室」を連載している。
早速本書を注文し読んでみたのだが、文章を書くことに対する考え方が大きく変わった。テクニックに頼ろうとした自分が恥ずかしく思えるくらい、根本から考えが変わった。
そこで、今回は本書から学んだ良い文章を書く上で、テクニックより大事なことについて説明し、みなさまが文章を書く上での参考にしていただきたいと思う。
・良い文章とは何か?
・目指すべきゴールを明らかにする
・意見、論点、論拠で構成を考える
・意見とは何か?
・論点とは何か?
・論拠をどう準備するか?
良い文章とは何か?
今回の記事のタイトルを良い文章を書く上で、テクニックより大事なことというタイトルにしたが、そもそも良い文章とは何なのか?
本書では、小説やエッセイ、詩ではなく「生活機能文」とも、「コミュニケーション文」とも言えるジャンル(例えば、メモ、手紙、メール、議事録、小論文、企画書、お願い、相談、お詫び等)について扱っている。
これらの文章におけるゴールとは、その文章で読み手の心を動かし、状況を切り開き、望む結果を出すことだ。それが満たすことができる文章を良い文章と定義する。
目指すべきゴールを明らかにする
これが一番重要なポイントなのだが、文章を書く前に一番に考えないといけないことは、その文章を通じて、誰に対して、何を言って、どうしたいのかゴールを明らかにすることだ。
テクニック云々よりも、まずどうしたいのか。今考えてみれば当たり前のことだが、自分のことを振り返ってみると、ゴールを考えずに文章を書き始めることが何度もあった。テクニックを身につけたところで、何を言いたいのかが定まっていないのであれば、相手に思いや考えが伝わるはずがない。あなたの文章を読んだ人にどうなってほしいのか、まずは目指すべきゴールを明らかにしよう。
論点、意見、論拠で構成を考える
目指すべきゴールが明らかになれば、次は文章の構成を考える。機能する文章とは、自分が言いたいことをはっきりさせ、その根拠を示して、読み手の納得・共感を得る文章だ。
その基本的な構成はとてもシンプルで、大きく、論点、意見、論拠の3つで構成されている。
たとえば、下記の様な保育園の保育士さんへのメモも、上記の3要素に分解できる。
今日、うちの太郎は微熱があります。この時期よくあることで心配はないのですが、大事をとって、外での運動のみ休ませてください。
論点 本日、太郎への対応をどうしてほしいか?
意見 外での運動だけはさせないでほしい
論拠 微熱があるので
このように、機能する文章は、論点、意見、論拠から構成されていることがわかる。
意見とは何か?
本書で著者は、「意見とは、自分が考えてきた「問い」に対して、自分が出した「答え」である。」と述べている。
要は、相手に一番伝えたいメッセージである。何か伝えたいメッセージがあるからこそ人は文章を書く。目指すべきゴールが決まれば、自分は何を言いたいのか、意見をはっきりさせよう。
中には、自分なりの意見をなかなか持てないという人もいるだろう。意見はいつも「問い」とセットだ。だから、意見を持つには「問い」を立てる必要がある。
仕事でも「あなたはどう思うか?」のような漠然とした質問をされることがあると思う。そういったときは、自分なりに「問い」を分解して小さな「問い」を洗い出す。そしてそれぞれの「問い」について、自問自答を繰り返すことで自分の考えがはっきりしてくる。これがあなたの「意見」になる。
論点とは何か?
論点とは、文章を貫く問いだ。筆者の問題意識といってもいい。文章の方向も、読み手の興味も論点で決まる。
機能する文章を書くためには、自分と読み手の問題関心から外れない論点を設定することが必要だ。そのために、読み手と自分、双方の問題意識を発展させたり、根源的な問いに戻したりしながら、論点を発見する必要がある。
例えば、今回のnoteにおいての論点は「良い文章を書くために、最も重要なことは何か?」である。
自分自身、良い文章を書くにはどうすれば良いか?という問題意識をずっと持っていた。読み手のことを考えると、noteにはたくさんの書き手がいる。中には、noteを始めたばかりの人もいるだろう。私と同じように、良い文章を書きたい!と思っている人も多くいるはずだ。このように、メッセージを伝えるためには、双方の興味が重なる論点を設定することが重要である。
論拠をどう準備するか?
論点、意見が定まれば、説得する材料となる「論拠」を準備する必要がある。
論拠の用意においてのポイントは、下記のように説明されている。
1.まず、自分側の理由を洗い出す。
2.相手側にとってのメリットをあげてみる。
3.相手の反対理由を正確に押さえる。
4.相手の反対理由に焦点を合わせ、説得材料を見たり聞いたり、足を運んで調べる。
5.相手に分かるように道筋立てて論拠を提示する。
このポイントを押さえ論拠を準備することで、あなたの意見は説得力を増す。
意識をするだけで文章は見違えるほど良くなる
本書を読んで、意識するだけで文章は見違えるほど良くなると確信した。良い文章が書けないということは、自分の中の考えが整理されていないということだ。そんなときは、上記で紹介したように、下記のステップを踏んで考えを整理しよう。
1.望むべきゴールを明らかにする
2.意見、論点、論拠を意識した構成を考える
3.意見を明確にする
4.論点を設定する
5.論拠を準備する
今回は望む結果、意見、論点、論拠について説明したが、本書では、機能する文章を書くための7つの要件として、他に読み手、自分の立場、根本思想についても説明されている。
伝わる・揺さぶる!文章を書けるようになるために、さらに詳しく知りたい方は、ぜひとも本書を読むことをおすすめする。
今回の記事が、少しでもあなたの文章を書くことの手助けになれば幸いである。
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