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災害に対する安全性を考慮した「住まい」の選び方

Kokiです。

「住まい」を選ぶ際にはまず何を重視しますか?
 
 賃貸住宅であれば、家賃、アクセス性や周辺環境を含めた立地、間取り、設備あたりが思い浮かぶでしょうか。これらは日常生活への影響が大きい非常に重要な指標です。

 住環境、いや、もはや人生のシーンを決める上で、「住まい」選びに関する重要な指標はいくつかあります。しかし、しばしば忘れられがちな指標が一つあります。それは、「災害に対する安全性」です。災害には地震によるもの、大雨によるものなど多岐に渡りますが、今回は地震に焦点を当てます。

 東京・大阪・名古屋などの太平洋側の大都市圏は、今後30年以内に大地震に見舞われる可能性が70~80%と高く、個人の対策意識が必要不可欠です。(東日本大震災の光景を思い出しましょう、、)
 南海トラフ沿いでの大地震は100~200年の周期で発生しています。直近300年程度の歴史を見てみると、以下の地震が挙げられます。
・1707年 宝永地震 
・1854年 安政東海地震 
・1854年 安政南海地震 (安政東海地震の約32時間後)
・1944年 昭和東南海地震
・1946年 昭和南海地震
 この様に、周期的に南海トラフ沿いで巨大地震が発生していることからも、近い将来の発生が予想されています。

地震調査研究推進本部 南海トラフで発生する地震より作成
https://www.jishin.go.jp/main/yosokuchizu/kaiko/k_nankai.htm

 

 私自身も日常的な利便性を重視して住宅を選んでしまいがちですが、“災害”という非日常も想定しなければなりません。自分の身の安全は自分で守る精神が必要です。

 今回は、生活の基盤となる「住まい」を選ぶ上で、安全面の観点から考慮すべきこと、行動に移すべきことを紹介します!
 以下の構成で進めていきます。

質問等はtwitter DMまで。→ https://twitter.com/ko_ki0614

目次
1. 考慮すべき大きな2つの軸
2. 建物の安全性
3. 土地の安全性

1.考慮すべき大きな2つの軸

 「住まい」を選ぶ際に、災害に対する安全性を考慮する上で大切な軸は以下の2があると思います。(今回は主に賃貸住宅を想定しています。)

(1)建物の安全性
(2)土地の安全性

 それぞれについて具体的に見ていきます。

2.建物の安全性

  「住まい」を選ぶ際、賃料や立地を重視しすぎたあげく、安全性の低い住宅に住み、巨大地震の際に命を落としてはもともこもありません。

 最悪の事態を防ぐために、最も注目すべきところは候補の住宅が「新耐震基準」で設計されているかどうかです。
 新耐震基準を簡単に説明すると、「大地震が起きても人名に関わる甚大な被害がでないこと」と言えます。具体的には、建物の強度に関して以下の基準があります。

・震度8強から7の大規模地震で倒壊・崩壊しないこと
・震度5強程度の中規模地震ではほとんど損傷しないこと

 では、如何にして新耐震基準で設計されているのか見分ければよいのでしょうか。注目すべき点は、「建築年」です。より具体的には、「建築確認済証の交付日」となります。建物の強度に関する大幅な法改正が行われたのが1981年6月1日です。建築年が2000年などであれば新耐震基準で設計が行われていることになります。これ以前の基準は「旧耐震基準」と呼ばれています。
 少し注意が必要なのが、建築年が1981年や1982年あたりの場合です。建物の建設には当然時間がかかるので、設計は新耐震基準で行われていない可能性があります。市町村による建築確認申請の「建築確認済証の交付日」が1981年6月1日以降かどうか不動産屋などに確認しましょう。

 木造住宅に関しては、さらに2000年6月1日にも注目すると安全な建物を選択できます。1995年の阪神淡路大震災で多くの木造住宅が倒壊した事をうけて、さらに厳しい耐震基準を要求する法改正が行われたからです。新築時の地盤調査の義務化や、耐力壁(地震による水平力に耐える壁)をバランスよく配置すること、筋交いや柱・梁の接合部を強固にする金具の種類の明確化などが定められました。

 有名な1995年の兵庫県南部地震において、旧耐震と新耐震の建物で被害の様相にどのような差が生まれたのでしょうか。以下の、国土交通省による図を見ると一目瞭然です。旧耐震では新耐震の2倍以上の建物で小破以上の被害が生じている事が分かります。

阪神淡路大震災における建築年別の被害状況
平成7年阪神淡路大震災建築震災調査委員会中間報告より作成

 また、以下のyoutube動画では、耐震基準の違いによる建物の揺れ方の違いを確認することができます。やはり、斜め材である筋交いの効果が大きい事がよくわかります。

2.土地の安全性

 「住まい」を選ぶ際に、建物だけでなく通勤・通学の立地特性や、街の利便性や治安などを確認するかと思います。これらは土地に根付いた情報です。「災害に対する安全性」も土地によって大きく異なります。事前の確認を怠ると災害時の生活に大きな支障をきたしたり、自己所有の不動産に関しては大きな資産価値の低下が懸念されます。

 戦国時代の将軍も城は敵と災害に対して強い場所に築城しました。現代の私達は生活の利便性を保ちつつも安全な土地に「住まい」を構えていく必要があります。

 土地の安全性を確認する最も簡単な手法は各自治体のHPからハザードマップを確認することです。各基礎自治体は内閣府の手法などに習って巨大地震に対する被害想定を行っており、ハザードマップが公開されています。

 主な確認事項は以下の点です。

・どのような地震が想定されており、地震動の強さ(震度)はどれくらいか。
・津波の心配はあるか
・液状化の心配はあるか
・崖崩れや、斜面崩壊の心配はあるか
・火災延焼による危険はあるか
・河川氾濫による浸水の心配はあるか
・避難所は近隣にあるか

 例として、東京都の地震災害危険度を見てみます。東京都では2018年3月に第8回目の「地震に関する地域危険度測定調査」の結果が公表されました。
 都内の市街化区域の5,177町丁目について、各地域における地震に関する危険性を、以下の指標に基づいて測定している様です。
・建物倒壊危険度 (建物倒壊の危険性)
・火災危険度 (火災の発生による延焼の危険性)
・総合危険度 (上記2指標に災害時活動困難度を加味して総合化したもの)
 非常に分かりやすくまとまっています。ただ、津波浸水や液状化の危険性、避難所の位置などは別途で調べる必要があります。

東京都都市整備局 地震に関する地域危険度測定調査より作成(http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/home.htm#data1

 日本の都市部に住む限り、何かしらの災害危険性にさらされると思います。事前に土地の安全性を確認し、新耐震基準の設計や防災備蓄の確保など適切な対策が施された「住まい」を選択していく必要があります。

 

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