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「ふるさと納税」について

最近、また「ふるさと納税」と「地方交付税制度」を比較しての発言をネットで見ます。従来の地方交付税交付金に問題がなかった分けではないことは分かりますが、それを「ふるさと納税」と関連させるのはどうかな、と思います。卑見にすぎませんが。


「ふるさと納税」(2009年度制度創設)は、「納税」とはいっていますが税金(納税)ではなく「特定寄付金」(7種あってそれぞれ算出方法が違う)です。
第一、納税と違い国民の義務ではなく任意で行なうものです。


他の特定寄付金とは、
住民税の所得割額から控除できること、
「特例控除」が適用され寄付した金額が控除上限額の範囲内であれば、自己負担額が2,000円ですむこと、
という点が相違するだけです。

ですから相手自治体にとっては「寄付」であり、居住自治体にとっては住民税と所得税の「寄付金控除」に過ぎない。この骨組みは他の特定寄付と変わりません。
控除の上限額は給与収入(年収)や世帯構成で違ってきますが、確定申告やワンストップ特例をした場合、
住民税は翌年度の住民税から課税額を控除、所得税はその年のものから控除(還付)となります。この点でも「特定寄付」です。


2011年の制度改正で「寄附金特別控除(所得控除ではなく税額控除ができる。現金の還付ではなく課税額を減らすという選択もできる)」の制度が出来たため、「ふるさと納税」はより特定寄付金に近づいている感もします。


実際「ふるさと納税」制度の根拠法は「地方税法」第37条の2(「寄附金税額控除」)です。
これ↓
https://zeiken.co.jp/hourei/HHCHI000000/37-2.html

ですから地方交付税制度の税金(納税)を原資とし、基礎としたものとは仕組みも目的も根本的に相違するものです。
これは自治体の(基準)財政収入額や財政需要額を基にして計算されるものであり、地方の財源をしっかり国が保障し自治体間での収入格差、
サービス格差をなくす目的をもつもので、「ふるさと納税」とは比べがたく感じます。地方交付税は「地方の固有財源」です。

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