tanka #6
まあるくてざらざらしててつめたそう かなしみの意思 かなしみの石
すくったら指の隙間をすり抜けるつめたい雫に名づけよう「愛」と
いっぽんの煙草で朽ちた家があり 消し忘れたの火の消し方を
オレンジの街が暮れたら赤緑 血糊をつけたサンタクロース
スコールが火照った心を冷ますから 傘のいらない雨の日もある
一瞬は一瞬のまま微睡んで 光を呑んだ 淡い夢とおく
やさしくて あたたかい あのぬるま湯に 浸かりたくなる こんな夜には
「ありがとう」知らない誰かに言われると生きていていい気がしてくるの
こころ きみのなかにいたいな はじっこの隅の隅とかでかまわないので
TODOのリストにチェックつかぬまま 来るのは来なくていい明日ばかり
飴色に染まりゆく白なぞっては 暮れゆく月のそのまた次の
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?