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自分の進路相談室、持ってますか?【「フリーランスの進路相談室」執筆後期】

江戸時代に佐賀藩士・山本常朝によって口述された武士道書『葉隠』には、 「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」とある。

この切れ味するどいパンチラインにならっていうなら、「フリーランス道と云ふは悩む事と見つけたり」といいたくなるくらい、フリーランスになってから悩むことが増えた。お金のこと、働き方のこと、パートナーとの関係のこと…会社員時代にくらべて、自分で考えて、決断しなきゃいけない場面が多いのだ。

(まぁ、僕は悩むことが趣味みたいなところもあるんですが)

悩むこと自体は悪いことじゃない。けれども問題は、上手に悩めているか、である。悩むために悩む、みたいなことになると、精神衛生上よろしくない。猫が自分の尻尾を追いかけてぐるぐるまわって、目を回してしまうようなことになる。これを僕は、「尻尾ぐるぐる猫ちゃん症候群」と呼んでいる。

ちょっと前まで、人と会うことに疲れて、自分でぐるぐる考える時間が増えたことで、僕は目を回しそうになっていた。腰痛もちのおじさんが自分の尻尾を追いかけてぐるぐるまわっている絵を想像してほしい。しかも僕は犬顔である。これはよくない。

そんなとき、Huuuuの友光だんごさんに声をかけてもらって、Workship magazineのインタビュー連載、「2025まで働けますか? フリーランスの進路相談室」の記念すべき初回として、フリーランス協会の平田麻莉さんにインタビュー、もとい、悩み相談をする機会をいただいた。

記事では、

・フリーランスの抱えがちな3つのリスク
・知っておきたいセーフティネット
・フリーランスとして高めたい「専門スキル」と「間接スキル」

など、フリーランスにとって役立つ情報が満載なのだけど、僕が感じたことを執筆後期的に付け加えると、「尻尾ぐるぐる猫ちゃん症候群」にならないために、こうして誰かに悩みを相談する機会がとてもだいじだということ。僕は平田さんと話して、ずいぶん気持ちが楽になった。

自分だけで生き方・働き方の答えを出そうとすると、”どつぼ”にはまってしまったり、限られた選択肢のなかで答えを探そうとしてしまうのである。本当はもっと可能性は広がっているのに。

こう書いてみると、とても当たり前のことを言っている。でも、そんな当たり前のことが、フリーランスになると、難しくなる。なにせ同僚や先輩はいないし、当然キャリア支援の制度がはじめからあるわけじゃないので、自分で相談する機会をつくりにいくことが必要なのだ。

だから、連載タイトルにもなっている「フリーランスの進路相談室」がほしい。いや、ほしいとか言ってるのがそもそもちがう。自分のための進路相談室を、自分でつくらなきゃ。僕にとってこの連載が、取材しながら相談するという進路相談室になりそうだ。

さて、みなさんは自分の進路相談室を持っていますか?

サポートがきましたって通知、ドキドキします。