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バンザイ

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2022年4月の記事一覧

自伝的小説 『バンザイ』 最終章 永久的リメンバー娘

自伝的小説 『バンザイ』 最終章 永久的リメンバー娘

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 アラームが鳴る。
 目を覚まし、しばらく放置してからそれを止める。時刻は七時半。ウトウトしているとまた携帯が震える。すぐさまそれを止め、またウトウトする。そんなことを繰り返し、七時五十分まで粘り、ようやく重い身体を起こす。

 風呂場の洗面所に行き、電動歯ブラシを濡らし、歯磨き粉を付け口に突っ込む。鏡で寝癖と顔をチェックする。そのまましばらく磨き、終わったら口を濯ぎ、今度は電気シェー

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自伝的小説 『バンザイ』 第十章 悲しみの果て

自伝的小説 『バンザイ』 第十章 悲しみの果て

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 何も考えることができなかった。

 親が買ってくる飯を口に運び、あとは布団の上で眠るか寝転がるだけ。誰からの連絡も返さない。テレビを見てもネットを見ても何も感じない。風呂には入ることができなくなり、身体を擦ると消しゴムのカスのような垢がたくさん出てきた。

 何をしていたのか覚えのない時間が三ヶ月過ぎた。その間一度も風呂に入らなかった。消しゴムのカスはピンポン玉サイズの塊になっていた

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自伝的小説 『バンザイ』 第九章 ぼくたちの失敗

自伝的小説 『バンザイ』 第九章 ぼくたちの失敗

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 誕生日はタマと過ごした。いつものように横浜でデートをし、ホテルに行った。そういうことをする気にもならなかったけど、なんとなく流れで一度した。そのあとはずっと横になっていた。

「元気ないですね」

「そんなことないよ」

「だって、今にも死んじゃいそうな顔してる」

「そう?」

「うちと一緒にいても楽しくないですか?」

「……そんなことないって」

「じゃあ、はい。ギューってしてあ

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自伝的小説 『バンザイ』 第八章 罪と罰

自伝的小説 『バンザイ』 第八章 罪と罰


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「こうやって普通にデートするの久しぶりだよね」

「そうですね。御茶ノ水の時以来ですかね?」

 横浜の赤レンガ倉庫に来ていた。僕の左腕はタマの右腕と組まれている。

「なんか、すげー恥ずかしいんですけど」

「うちもですよ。お酒飲んでないとやってられないです」

 ショッピングモールを歩いて回る、ごくごく普通のデート。お互い空いている手には酎ハイの缶を持っていた。

「彼女できるの、

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