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ブランドは”志”を持った個人へと変わる?!『パーパス「意義化」する経済とその先』を読んで

こんにちは、コジカです。
ブランドマーケター兼美大生としての視点で、自分なりの気づきをまとめています。

最近、よく「PURPOSE」「パーパス」と記事や本屋さんで聞きませんか?
また出た、流行りの横文字だと思っていたのですが、ちゃんとわかっていなかったので、こちらの本で学んでみました。

ぼくは、この時代、企業やブランドが”志”を持った個人のような存在へと変わっていくのだなぁと感じました。
そして、それに共感する人々が顧客や協力者、時には従業員や投資家になって、その企業やブランドを応援していく。その原動力として牽引していく”志”がパーパスとして注目されているようです。

1,個人的に「パーパス」を身近に感じたブランド

本書にはたくさんの海外の最先端事例が掲載されています。
ぼくは個人的に身近にパーパスを感じた日本ブランドを2つ紹介します。
※どちらも本書ではなくTVで知ったものです。

1つ目は、障害を持つ方々の活躍の場を広げるためのチョコレートブランド
「QUONチョコレート」
素敵で美味しいチョコレートはあくまで手段、チョコレートなら一度失敗しても溶かせば、もう一度作れる。創業者の方は、一度パン屋さんとしてやろうとして失敗を繰り返してしまった過去からチョコレートを選択したようです。「全ての人々がかっこよく輝ける社会」を目指しています。

2つ目は、バングラデシュなどの途上国の可能性を形にするアパレルブランド
「MOTHERHOUSE」
地域特有の素材を使い、職人が丁寧に作った、バッグ・服・ジュエリーを販売しており、「途上国」と一括りにされた場所にも、可能性があることを証明したい。そんな思いのブランドです。

どちらも、商品はあくまで手段であって、目指す"志"に向けて仕事をしているように感じます。いち生活者として、美味しさや品質の良さは前提ですが、普通の商品を買うより、どちらのブランドも応援したくなります。

どうやらこの、”志”に共感すると応援したくなる。というのがパーパスが持っている性質のようです。以下、本書で学んだことです。

2,そもそも「パーパス」ってなに?

パーパス=社会的な存在意義
企業は何のために存在するのか社会においてどのような責任を果たすのか

と定義されています。
ぼくはこれは2つの問いに分解できるのではないか?と思いました。

1つ目の問い:「何のためにビジネスをするのか?」

いわゆるこれが「存在意義」に当たる部分です。ただし、これだけでは今までの企業理念・Vision・Missionのようなもので語られてきたものです。ぼくは、更にもう一つの問いでこれがパーパスへと変わるのだと理解しました。

2つ目の問い:「それは社会全体のためになっているか?」

例えば、「エンターテイメントを通じて人々を笑顔にする」といったような、ビジョンやミッションを掲げていたとして、その活動によって、めちゃめちゃ人が差別されていたり、めちゃめちゃ環境が破壊されていたりすることは許せれません。

環境問題・貧困問題・差別など、ビジネスに関係する社会問題に対して、どういうスタンスで取り組んで行こうとしているのか?ということです。

VIsionは企業/ブランドがなりたい姿としての小さな船、
パーパスは「どんな社会を作りたいか」を含む大きな船

船のメタファーで説明されているのが非常にわかりやすく、多くの同志と思いを共にする”志”ってことなのだと思いました。

3,なぜ「パーパス」が注目されるのか?

本書では、複雑に絡み合った事象をたくさんの事例と共に紹介してくれています。ただ、端的に言ってしまえば、

パーパスを取り入れたほうが、ブランドがサステナブルになるから

だから企業がこぞって取り入れているようです。と言っても、よくわからないので、自分なりに整理してみました。

・ネット/SNSによって、社会が以前より「透明化」した
・相対的に個人の信頼が高まり、政府やメディアへの信頼が下がった
・かつて見過ごされていた社会問題が露見し、多くの人の自分事になった
・社会に対して企業が与える影響やそれに対する期待が大きくなっている
・そうした企業を応援することで自分のスタンスを示す人が増えている
・だから投資もそうした企業に集まりやすくなっている
・結果的にそうした企業が儲かることに繋がり更にそれが加速される

こんなに単純ではないかも知れないけど、本書では

消費者は、ものを買う存在というよりシティズン化した。これからの消費者は、知識と教養、意志と行動力がある主体

としており、SNSのアイコンで表明したり、いいねを押したり、クラファンで誰かを応援したり。個人的にもいち生活者がスタンスを示すことが多くなっている社会だと肌で感じることができます。

4,「パーパス」中心にするとどうブランドが変わるのか?

これも一言でいうならば、生活者との接点がより長期により深くなるということです。

つながりそのものが事業のアセット

と表現されている。ポイントは以下の3つあります。

・ビジネスそのものが顧客と長い付き合いになる

修理やシェア・消費者の要望の数だけ作るなど、ループ型のビジネスになると、それだけ顧客とコミュニケーションが単発の購入ということだけで終わらなくなってくる

・プロセスを一緒に歩む

規模の大きい社会課題に挑むにあたり、「プロセスを一緒に歩む」という要素が付加される。どうやって社会課題を解決しようとしているのかを共有しながら進めていく

・過度に飾らないコミュニケーション

ポイントはAuthenticity(真正性)それを語るに足る専門性があるか?過去の活動等の一貫性があるか?が大切になってくる。
下手に着飾ったコミュニケーションでバスを狙うのではなく、志を本当に実現しているファクトと共に、生活者との絆を作っていくことが大切になる。

性能がいい商品や顧客体験だけでなく、信頼に足る人物か、価値観を共にできるかが、とても重要になってくる。

ブランドもイチ個人として、生活者から信頼できる仲間なのか?を見られているってことなのだと思いました。

だから、人と人との関係性に、ブランドと人との関係性も似てくる。人と人は、出会ったら長い関係に、近況を報告し合い、嘘をつくと嫌われますよね。それと同じなんだろなと。

5,どうやって「パーパス」は作るのか?

実際にパーパスの作り方のレシピが書かれているのが、この本はすごい

STEP1:自組織の探索
STEP2:社会の探索
STEP3:統合と言語化
STEP4:具現化

この4つのステップでパーパスは作れるそうです。STEP1で自社のやりたい事・できる事を探して、STEP2では社会に求められていることを探す。
STEP3で両者の接点を探し出し、そこに架け橋を作る。
そして、STEP4で本当にそれが実現されるブランドのアクションにする。

これって、大企業はあたらめて考えることかもしれないが、ベンチャー企業って、何かしらのパーパスに共感しながらメンバーが集まって行くものなのではないか?とも思いました。ブランドが人格化してるって考えると
・ベンチャー企業→成長企業→大企業となっていくにしたがって
・個人のパーパス→チームのパーパス→企業のパーパスができていくのだと思う。

最後に

ぼくのFacebookやTwitterには、友達のしゅん君の投稿の後に、Nespressoの投稿がでて、しょう先輩の仕事の話の後に、Newspicksの投稿が出てきます。

友達や先輩との付き合い方と同様に、一人の人格としてブランドのことを、信頼できる人なのか?活躍を応援できる人なのか?志を共にできる同志なのか?を無意識に見極めているのかも知れません。

タレントさんがその動向を注目されるの同様に、有名な企業やブランドほどみんなからの期待が大きい。パーパスを通じて、みんなが同志になり、社会の課題が改善していく。そう考えると、とてもいい世の中になっているように感じました。

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ここまで読んでくれて本当にありがとうございました。スキやコメント頂けたらとても嬉しいです。

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