不老不死のクラゲと老化という病気!?
面白い方が取り上げられてました。
不老不死を訪ねて40年。ついにはドキュメンタリー映画に出演してレッドカーペットを歩いた・・・って凄いですねこの方。こちらで見学を受け入れているようなので、いつかはぜひ寄ってみたいです。
ただ、「不老不死」という言葉を聞くと、どうしても眉をしかめる人もいるかもしれません。理論的に確かにベニクラゲは「不老不死」であり、捕食され限り永遠に生き続けることができます。
ほかにも、「ヒドラ」という生物も有名ですが、下記のサイトでそんな1・2も含めた超長寿ランキングが載っています。
現時点でまだベニクラゲの若返り現象の謎は解明されてません。
ただ、「不死」まではいかないですが、「不老」の研究はいくつかの施設で真剣に行われています。
有名なケースだと、あのGoogleのグループ企業Alphabet傘下になるCalicoで研究が進められています。(ただし秘密主義でアプローチは不明)
そして何より、話題を呼んだのがこの本です。
著者は、「老いは必然でなく病気」という大胆な仮説を元に、治療への道を見つけようとしています。読んでいくと結構ひきこまれます。
内容はオカルト本でなく硬派な生命科学アプローチで非常に論理的に展開されます。
1つの素材として、老化が異常速度で進行する「早老症」の研究を通じて、それが「WRNヘリカーゼ」という酵素の異常であることが分かっています。
著者はその酵素を抑制する物質を探究するなかで、3つのたんぱく質(サーチュイン・AMPK・TOR)を制御することで老化を回復することができる、と提唱しています。
特に注目しているサーチュインを制御する「NMN」は、サプリメントとしても販売され、著書も愛飲して実験中という日常まで落とし込まれます。
少々骨太な本ですが、科学ミステリーとしては極上なのでお勧めです。
こちらは既存の生体を治す処方ですが、原理的には生命機能をデジタル化するという工学的アプローチもあります。
以前に紹介した「人類初の本格的なサイボーグ」も、ある意味それに近いチャレンジです。
このアプローチだと「不死」もみえてきますね。ジョニーデップ主演のSF映画「トランセンデンス」では、意識をまるっとデジタル移植しています。
この映画ほどでないにしても、「意識」をデジタル移植しようとする研究者はいます。国内だと下記のベンチャー企業が有名です。
科学的な探究としてはワクワクします。
ただ、果たして自分が仮に「不老不死」になったとしたら「幸せ」なのかはちょっと考えてしまいます。
おそらく本当に実現する段階になってくると、さまざまな視点で議論が必要ですね。
いずれにしても、生命科学は既にこういったSFとの境界があいまいな領域にまで突入しています。
最後に、冒頭記事で一番響いた個所を引用しておきます。
いつか死ぬとしても、こんな大人であり続けたいです。