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もはやエスパー!?驚異のBMI(Brain Machine Interface)

日本は2つの意味で「ロボット大国」です。

1つは産業向けロボットで、よくFA(Factory Automation)と呼ばれますが、例えば三菱電機、オムロン、ファナック、キーエンス、安川電機などが世界的に有名な企業です。

もう1つは、「アンドロイド」や「サイボーグ」、つまりヒト型ロボットの文化水準が高い点です。

例えば私は小さいときに、「タケコプター」が本気で欲しかったのを覚えています。(今見ると、あの形状では通常飛行は不可能ですが・・・)
このように、「鉄腕アトム」「ドラえもん」「仮面ライダー」などの影響が大きいと思いますが、我々にとって非常に親しみやすい存在であることは多くの方がうなずくと思います。

そんなロボットを実現する義手の分野で面白いニュースが流れていました。

上記記事で紹介されたEsper Bionics社公式Youtubeで配信している下記映像を見ると、そのすごさが感じられます。

スマホのタップ含めて、日常生活は全く問題なさそうですし、しかも380gと軽量なのがすごいです。(参考までに統計的には片腕で全体重の5%、つまり3kg以上)

仕組み自体は以前からあり、我々が普段行っているように、脳からの指示(電気信号)を読み取って、筋肉の代わりに機械が処理します。
その処理の精度(しかも学習型)とスピードがぐんと突き抜けたのが今回の成果です。

このように、脳からの信号を読み取って機械と直接つなぐ技術のことを総称して、"Brain Machine Interface"と呼び、とても注目されている領域です。

今回の義手以外では、脳に障害(神経疾患)を持つ方向けの研究がよく話題に上がります。

特に、世界的な連続起業家として有名な「イーロン・マスク氏」が2016年に立ち上げたNeuralink(ニューラリンク)が、彼の話題性も伴って取り上げられます。

立ち上げ数年はステルスモードで研究内容は明かされませんでしたが、500円玉上の機器を脳内に埋め込む「侵襲型(脳に直接埋め込む方式)」であることを発表しました。

この数年は、実際の動物実験模様などを公開しています。

Neuralink Youtube公式チャンネルで、実際にゲームに興じるサルの動画が公開されています。普通に人間レベルの腕前であることが分かります。(ナレータが言ってますが「マジックではありません」)


今Neuralinkはヒトの臨床実験に取り組みたい意向ですが、上記記事にもある通り、まだ米国当局はどうすべきか思慮しているようです。

その1つは、やはり脳をあけてその中にマシンを直接埋め込むという手続きが、技術的なリスクが読みにくく、そしてなにより倫理的な配慮も大きいのではないかと想像します。


ちなみに、非侵襲型では、Meta(旧Facebook)も同時期に参入し、脳波によるキータイピング研究に長年投資しており、ある程度の成果を収めたことを2021/7に発表しました。

ただ、やはり技術的(加えて、おそらくはヒトのデータを吸い取る企業イメージへの配慮)に厳しいのか、同時に今後はリストバンド型に注力するとも後半で触れています。下記が出所にあたる同社の公式コメントです。


ここは今後のBMI動向を占ううえでは重要な論点かと思います。技術的にできることと、倫理的に許容されることの境目にもはや到達しています。

ドラえもんがいてくれたら確かにうれしいですが、もし自分が考えていることをすべて読み取られている、としたらどうでしょうか?

ネズミや怖かったりどら焼きが大好きだったり、もしかしたらそんな不完全で人間臭い点も1つの魅力かもしれませんね。

BMIの進化はまさにマシンと人間の関係を見直すことなのかもしれません。

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