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火星で見つけた新しい音・地形と探査車

突然ですが、「火星の音」を聞いたことがあるでしょうか?

実は、2021年に火星に到着したNASAの探査車Perserveranceには写真・動画だけでなく初めてマイクロファンを搭載し、音のデータも収集しています。

NASAのサイトで一部公開してますので紹介しておきます。

いかがでしょう? 火星の音と聞くと何となく神秘的な感じを受けるのは私だけでしょうか。

Good Jobと言いたいところですが、火星に着陸した探査車はPerseveranceだけではありません。
一覧を分かりやすく画像化したものを見つけたので紹介します。

出所:Wiki「火星にある人工物の一覧」

赤がローバーと呼ばれる車輪で動くタイプで、青がランダー型と呼ばれる地表に張り付いて固定した状態で探査するタイプです。それ以外の色は稼働終了またはこれから着陸予定のものです。

今は自働型ローバーが主流ですが、以前はランダーが主流でした。その中で長年稼働していたInsightもほぼミッションを終えて、2022年内で永遠の休息につく予定です。

この記事にもある通り、観測における最大の敵はエネルギー源となる太陽光パネルを遮る「塵」です。

今正常稼働しているのは、冒頭のPerserverance(2021年)のほかには、同年に到着した中国「祝融号」と2012年に到着したNASAのCuriosityの3台です。

なぜCuriosityが長期間も塵に負けないかというと、動力が太陽光電池でなく原子力電池が搭載されており、夜間や太陽に照らされない場所でも稼働出来ます。(Perserveranceも同じく原子力電池を採用)
Curiosityは今でも面白い情報を届けてくれており、最近ですとこんな不思議な地形を発見して話題を呼んでいます。

いずれも自然とは思いにくいほどの形状で、好奇心(Curiosity)をそそりますね。
子供のころに見ていたら「火星人だ!」と目をキラキラさせていたかもしれません

現時点での科学者の予測では、前者は地震による地層のずれ、後者は風水で浸食した結果であろうとされています。

実は今年の5月に2018年からの観測史上最大のマグニチュード5の地震を観測したばかりです。もっと言えばInsightもそれによって塵をさらに被ることになり今回の引退に影響を与えています。

もう1つ忘れてはいけないのが「重力の影響」です。

火星の重力は地球の40%程度です。
後者の写真にあるほそ細い奇妙な形状の岩も、削られても自身が軽いため、ぽきっと折れずにこの形状を保っているのだろうとされています。

肝心の浸食理由は、風だけでなく過去に大量の水(湖)が存在していたのでは?と期待されてますが、同時に重力が小さいがゆえにその水が火星から揮発してなくなってしまったという仮説も出ています。

タイトルだけだと誤解を与えるので補足すると、火星の地下にはまだ水が眠っているという予測もあり、少なくとも有機物は既にCuriosityが穴を掘って見つけています。

また、生命に水が必須かどうかもまだ100%ではないため、今後も好奇心(Curiosity)と忍耐力(Perserverance)をもって新しい洞察(Insihgt)を待ちたいですね。

まずは今年引退予定の探査機Insightへの慰労をねぎらいたいと思います。

タイトル画像出所:Curiosity Has Found Some Truly Weird-Looking, Twisty Rock Towers on Mars
https://www.sciencealert.com/check-out-the-twisting-towers-of-rock-curiosity-found-on-mars

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