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宇宙の生命誕生と地球への飛来説

生命起源の探索は、今でも科学ミステリー極上の部類です。
こんなニュースが目に入りました。

要は、
地球の水がないと生成が難しいと思われていたペプチドを、宇宙環境下でも出来る可能性がある、
という話です。

生命の起源は大きく分けて下記3種類の説が提唱されています。

  1. 深海説

  2. 地上の水たまり説

  3. 宇宙飛来説(パンスペルミア説)

1・2をくくると「地上説」で、こちらが比較的有力視されてきましたが、今回は3の可能性を示唆する研究です。

地上説が有力だった理由の1つがまさに「水」の存在有無です。よく水は生命の母とはたとえられますが、シンプルに言うと、より分子間をつなげやすい構造をもっているからです。

地球の生物は一般的には、DNAからアミノ酸、そしてそれが集まってペプチドと呼ばれる高分子に発展します。
ところが今回は、アミノ酸経由でなく、アミノケテン分子の生成とそこからペプチドが出来ないか、という実証実験です。

元々のルートしかないと思い込んでいたので、これを聞いたときは結構驚きました。
定説と言われているものでも、今回の実験にように再検証する余地はあるのかもしれません。

もちろん今回の実験によって、一気に宇宙飛来説に軍配が上がることはないと思います。

ただ、少しずつですが支持する説が増えてきています。

今回は、宇宙空間で生命起源であるペプチド生成の可能性が示唆されました。
が、地球表面まで到着するには、宇宙線を浴び続けるという生命にとっては過酷な環境で維持し続けることも重要です。

これについては面白い実験を、日本が行っています。

その名も「たんぽぽ計画」です。

名前で想像ついた方もいると思いますが、種をふわふわ遠いところまで漂わせて新しい生命をはぐくむ、まさに宇宙飛来説を意識した実験です。

具体的にはISS(国際宇宙ステーション)の一角を間借りして、船外に微生物をさらして生存可能性を調査しました。

結論だけ書くと、全体のうち約10%が生き延びたことが確認されました。
下記の記事が詳細に書かれているのでお勧めです。

記事内にもありますが、「3年」は地球と火星の最短経路時間、つまり火星から地球に微生物が到着できる可能性を示唆しています。

火星にこだわっているのは、元々生命可能性として安易に期待されていただけでなく、1つの科学的背景があります。

実は、1984年に南極大陸で発見された火星由来の隕石に、生命の痕跡があるかも?と話題を呼んだことがありました。(大体40億年前と推計)

深堀調査した結果が下記にのってますが、残念ながら現時点では可能性は低そうです。

ただ、火星由来かはともかく、隕石に生命痕跡があるという発表は世界中で報告は今でも続いており、日本の研究者グループでは下記のような発表があります。

今後は、冒頭記事のように、従来の常識を揺るがす発見も否定できません。

重要なのは、われわれ人間そして居住する地球生活での思い込みから脱することかもしれませんね。

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