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国内で初のマシン脳内埋め込み申請へ

BMIは過去何度も話題にしてきましたが、ついに国内でも脳内埋め込み型の計画が行われています。

要は、
ALS患者に脳内チップを埋め込むことで、脳波で文字入力を行う仕組みを計画中
という話です。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、筋肉がやせ細っていく病気、もっといえば、脳の神経細胞から筋肉へ指示する神経細胞が徐々に機能しなくなっていく難病です。
1つ、ALS研究を日本全体で整理しようとしているサイトを紹介します。


上記サイトにあるように、現時点では発症の原因及び根本的な治療方法は編み出されていません。
有名なALS発症者を上げると、2018年(76歳)に亡くなった宇宙物理学者のスティーブンホーキングがいます。

幸い途中から病の進行が弱くなりましたが、後年はまぶたや唇の微妙な動きで文字を入力する特殊装置を使ってやり取りをしていました。
例えば、ホーキングの講演でのQAでは、何か質問をすると数分間ほどホーキングの文字入力(&合成音声)で会場が静まり返っていたそうです。

Wiki:「スティーブンホーキング」


今回の阪大の試みは、海外では同じくALS患者に対して実績がありますが、やはり各国の規制や慣習があり、日本では今回が初の申請となります。
(まだ承認されてはいません)
今回の報道によると、承認を得られたら、半年ほど少人数に絞って行うとのことです。

丁度別のサイトで、同教授のBMIに関する絵解き説明がありましたので、紹介しておきます。(一部有料)

上図サイトにあるように、
脳の計測×人工知能による解析×ロボット等による表現
と、最新技術の掛け合わせが新しい医療分野を開拓している、といえます。
まさに難病克服については、科学技術の総合格闘技と言えるかもしれません。

ここで、同症状への海外の事例を1つ紹介します。

2015年発症後、ホーキングのようにアイトラッキングなどの読み取り装置に頼っていましたが、それすらも動かすことが出来ない前身麻痺状態になってしまい、BMIでコミュニケーションをとれるようになった、
という話です。

上記サイトから動画を引用します。

うるっときたのが、最初の文字が
「これは楽だよ」
だったそうです。
その後も、和ませるためか「ビールが欲しいな」などの文字が表示されたそうです。
久しぶりに会話が出来た家族のうれしさはひとしおだったと想像します。

今までのケースは文字または機械による完全合成文字だけでしたが、まだ発生が可能なALS患者の声を録音しておくことで、しゃべれなくなった後でも本人の声に似せた合成音声を生成する、という製品は国内でもリリースされています。

まだ原因が解明できないため、今回のように科学技術を通じたケアが中心となっています。

症例の進行も人によって異なるようで、冒頭で例に出したホーキング博士のように発症後50年生存出来る場合もあります。

ホーキングは自身のインタビューでも、ALSを発症してはじめて真剣に研究に打ち込んだ、というのは有名な話です。
(実際彼が一躍有名になる業績は、発症後の博士論文からです)

最後に、亡くなる直前まで「宇宙創造」という最大の難問に向かい合ったホーキング博士の生前最後にあたるインタビュー記事(2017年)を紹介して締めておきます。

こんな超人に誰でもなれるわけではないですが、こういった先達がいることは、素直に励みになります。

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