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SFではない。サウジアラビアの未来都市「LINE」

地球最大の人工建築物と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?

私は中国の歴史が好きなので「万里の長城」をまず思い浮かべます。

今ドバイでまさに「未来の長城」ともいえる都市計画が進められています。

上記サイトを読むのが億劫だ、という方のために動画だけでも引用しておきますので是非ご覧ください。

通称「THE LINE」。
全長170キロ・幅200メートル・高さ500メートルという巨大スケールの建造物をなんと鏡で覆ったエコな都市(エネルギー・水は再生可能系で調達し、ゼロカーボン)を建設する計画です。
900万人が居住できる設計で、両端を高速移動できる仕組みでわずか20分で到達出来るそうです。
単純に計算すると、時速500kmで日本最速のリニア新幹線と同じ速度です。

正直はじめ聞いたときはSF小説の話だと思ってましたが、スポンサーはサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン王太子です。

この方、現時点で最も高価な家(あくまで現行レートですが約380億円!)に住んでいることでも有名です。

もっと言えば、ついにあのAppleを超えて遂に世界最大の時価総額となったサウジアラムコ石油は、この皇太子自身も株を持つ国有企業です。

今は国の収入を石油依存から脱却しようとしており、このLINE建設ももしかしたらその布石なのかもしれません。

この建造物を手掛けるのが、同皇太子が会長を務めるNEOMというデベロッパーです。以下にNEOM公式サイトを載せておきますが、これは企業名というよりはも、スマートシティ構想とみたほうが分かりやすいと思います。
(全体の構想はサウジビジョン2030と呼ばれます)

実はSF小説と当初勘違いしたのは、そのスケール感だけではありません。

なんとLINEは、垂直壁沿いにも居住空間を構える「垂直都市」を目指しています。もっと言えばこの建造物全体が3Dで設計されています。(なので幅200mという短さで実現出来ます)

出所:NEOM公式サイト(タイトル画像も同様)

よくこういった都市設計は「垂直都市」と呼ばれ、過去から話題にはなってきました。環境問題だけでなく建築技術の発展もあり、少なくとも超高層ビル化は進んでいます。

ちなみに、現時点で世界最大のビルもこのドバイにあります。

「ブルジュ・ハリファ」と呼ばれ、高さ828メートルで2位を200mほど引き離したぶっちぎりの一位です。

しかもドバイでは1km越えとなる「ジェッダ・タワーキングダムタワーとも呼ばれます)」が建設中で、2020年代後半に完成予定です。

もちろん実現手段として、最新の科学技術も盛り込む予定です。
そのテクノロジー&デジタル責任者として、Futuristとしても知られているJoseph Bradley氏を起用しています。(当氏のHPはこちら

まだ現時点では、その具体的なものは発表されていませんが、まずはこの3D空間を活用した都市設計としては注目しています。

実は、上記のNEOM公式サイト内に「無重力」という表記もあるのがとても気になります。

NEOMとはラテン語の造語で、日本語で「新しい未来」を意味します。

サウジアラビアは政治的リスクもありますが、この未来の都市「LINE」はこれからの実験都市としてとても際立っていますので、ぜひ注目して推移を見守っていきたいと思います。


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