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最新宇宙望遠鏡ジェイムズ・ウェッブの初画像

ついに、昨年末打ち上げられた最新宇宙望遠鏡ジェイムズ・ウェッブから初画像が公開されました。すでに日本メディアも紹介を始めています。

出所:NASA, ESA, CSA, and STScI

文字通り、息をのむ美しさですね。

先代のハッブル望遠鏡との比較図も引用しておきます。(比較意図で撮影されたものではないのであくまで参考程度)

出所:同上

メディアでも代表画像として引用されている上記画像は、約46億年前に出現した銀河団(銀河が密集した領域の呼称)SMACS0723と呼ばれる領域です。
この銀河団の質量が重力レンズとよばれる機能を担って、その背後にあるはるかに遠い銀河を拡大します。特に今回は、その遠方にある銀河に焦点を合わせました。
これによって、先代ハッブスでは見れなかった星団や微小な構造まで見ることができました。特に銀河の質量、年齢、歴史、および組成についてより詳細な研究が可能になると思います。

今回は、メディアで取り上げられないほかの主要画像についても解説します。
ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡の基本情報は割愛します。念のため、過去に投稿したので引用しておきます。

念のため解説すると、我々が見ているのは光が届いたタイミングなので、イコール光速での移動時間です。
そして、上記の画像に写っている光の一部は130億年以上前、つまり宇宙創成からたったの8億年弱の姿を映しています。

では、次の公開画像とNASAのオリジナルサイトを基にした抄訳にうつります。
なお、タイトル含めて今回紹介する画像全てのCreditは「NASA, ESA, CSA, and STScI」にありますのでご注意ください。


惑星状星雲:NGC 3132

この画像の中心にある恒星は、何千年もの間、あらゆる方向にガスと塵をリング状で送り続けてきました。今回この星が塵に覆われていることを初めて明らかにしました。

Webbに搭載された2台のカメラが、NGC 3132としてカタログ化され、非公式には「サザンリング星雲」として知られているこの惑星状星雲の画像で、約2,500光年離れています。

天文学研究として興味深いのは、この恒星は死にかけているステージ(エネルギーの完全放出間際)で、それによって放出されたガスと塵の雲で、どの分子が存在し、それらがガスや塵の殻全体のどこにあるかまでつかむことができるので、惑星の誕生から死に至る挙動をより深く理解できます。


相互作用銀河:ステファンの五つ子

ステファンの五つ子」という発見者の名前で付けられた5つの銀河グループです。一応知られた銀河グループで、Wikiもあるので引用しておきます。

この1枚の画像には1億5000万を超えるピクセルが含まれ、約1,000の個別の画像ファイルから構成されています。この5つの銀河間の相互作用が初期の宇宙で銀河の進化をどのように推進したかについて研究者に新しい気付きを与えると思います。

今回は赤外線領域で撮影しており、何百万もの若い星のきらめくクラスターと、星の誕生で生じる「スターバースト」が確認できます。


星形成領域:カリーナ星雲のNGC 3324

宇宙の画像とは思えない、「山」と「谷」をイメージする風景です。
これは、カリーナ星雲のNGC3324と呼ばれる近くの若い星形成領域の端にあります。
この領域は、「コズミッククリフ」とと呼ばれており、呼び名のとおり、月明かりに照らされた夜の岩だらけの山のように見えます。
実際には、これはNGC 3324内の巨大なガス状空洞の端です。この画像に示されている領域の上にある、泡の中心にある非常に大きくて熱くて若い星からの強い紫外線と恒星風によって星雲から彩られています。

今回の詳細画像によって、星の誕生について研究が期待できます。


また近いうちに、第二弾が公開されるそうですので、もし新鮮な情報を求める方はNASA公式サイトをチェックすることをお勧めします。(たまに予告することもあります)


最後に、上記サイトにもリンクは張られていますが、ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡は自身の場所を公開しており、下記サイトで見ることができます。

これからジェイムズの大活躍が始まりますので、ぜひ一緒に楽しみましょう!

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