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【書評】ジム・コリンズ『ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則』--毎日同じことをやる

 弾み車の法則っていうのは何かというと、要するに自分の長所を見つけてそれをひたすら磨き続ける、ということだ。そうすればいつかは他を圧倒するほどの力を身に付けて繁栄を持続できると。
 それはそうだと思う一方、なかなかしんどい原則だとも思ってしまう。自分の長所っていうのは、まあ好きなこととか得意なことなんだろうけど、ずっと同じことをやっていると飽きる。
 しかも徐々に成功してくると選択肢もどんどん増える。いい話もやってくる。ひょいひょい飛びつくと力が分散して、本業が疎かになり、やがては没落する。
 まあね。でもそうやって目移りしたり、バラバラなことに興味が移ったりしてしまうのも人間じゃないか。だったらきちんとやり続けることを決めて、そのかたわら新規のことにちょっとずつ手を出し、それが育ってきたら始めて大きくエネルギーや時間を注ぐ、というのがいいのかもしれない。
 僕は同じことをずっとやるのが苦手だけど、考えてみれば、英語を読んだりアメリカ文学を教えたりすることはずっとやってきていて、そこら辺は自分の弾み車なのかな。とりあえず、毎日少しだけでも同じことをやり続ける練習をしようと思う。

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