カンバン

コピーを書くって、なに?

noteにも、コピーに興味を持っている人がたくさんいた。書く仕事には、作家から研究者まで、いろいろとあるのに、あえてコピーのことを綴るなんて。コピーライターとしてはうれしい出来事だ。

コピーを書くとき、コピーライターごとにそれぞれの流儀というか、書き方がある。それが独自のアイデアに影響していることは明らかで、「よいアイデア=よいコピー」であり「よいコピー=よいアイデア」となってくる。

ただ、コピーに普遍性は必ずしも必要なく、その時・その場所でピンポイントで機能し、目標を満たすことができることが「よいコピー」の条件になる。だから、今年よいコピーであっても、来年もよいコピーであり続けることができるとは限らないし、同一商品・サービスでも次々と新しいコピーが登場してくるのがその証拠になる。

大切なのは、その時・その場所で満たされる価値(バリュー)が、コトバの受け手(ターゲット)のベネフィット(利益)を提供できる状態になっているかだ。何人かの若手の方は、このあたりの解釈と実行で苦しんでいるように見受けられる。

コトバは安易に嘘をつく。この嘘は、書く時は特に、意識的にも無意識的にも使われるため、嘘を見抜く力量が求められる。この見抜く力をつけていかないと、よいコピー・わるいコピーの本当のところが見えてこないはずだ。あくまでも結果論で、また知人の評価で、良し悪しを判断していると、目指すレベルのコピーライターへの道のりは、更に遠くなってしまうだろう。

この嘘を見抜きよいコピーを見つける力をつけるいちばん手っ取り早い方法は、コピーを選ぶ側になることだ。選ぶためには、発注する側になる、コンテストで審査員になるなど、いくつかある。ここでも大切なのは、選ぶこと=リスクを背負うことが必要だということ。経験上、他人のコピーを眺めだけでは、選ぶポイントは見えてこない。主観としての、この一言でどんな人が何人振り向くのか。それによって、どこまで目標を伸ばすことができるのか。責任を背負うことで効果を実感として感じ取ることができる。

コピーを書くことは、選ぶこと。レトリックばかりを追わずに、選ぶ人の視点を取り入れて、コピー修行をがんばってみてください。応援しています。


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