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ちょっと難しい消費税の還付のお話。インボイスを添えて。

最近税金のことよく話していますので、その続きで難しいことをお伝えします。

というのが来年から始まるインボイス制度のことです。
ちなみに今インボイスで「???」だとちょっとヤバいかもです!
最低限知識入れておいたほうがいいと思います。

↑上記の前提知識がある前提でお話ししますと、このインボイス制度、こともあろうかと欠陥があるのです。
消費税還付ということ聞いたことありますでしょうか?

例えば、お客さんより預かる消費税より、業者等に支払う消費税が多ければ国より消費税の還付が行われます。
つまり売上より消費税がかかっている経費の方が多ければ還付になるというものですね。
もちろん、コロナ前だと変な申告をして還付を受けようものならほぼ100%の確率で税務調査が入りましたが。

で、この制度って還付を受けたい人と、政府と、ずっといたちごっこだったのです。

例えば、不動産賃貸の会社をたてて、実際に賃貸物件を建てます。
そうしたときに結構な金額の消費税を建築会社にお支払いします。
で、人が住むことが目的として貸す場合は、非課税取引なのです。

つまり不動産会社からすると建築時に消費税を支払いうけど、お客さん(店子さん)からは消費税を受け取らない。

そうすると、国より消費税を還付してもらう。といった感じですね。

けど国側からすると、非課税売上しかないところに還付って…と不都合になってしまう。
から規制をかける、そうすると規制の穴抜けを探してまた新しいスキームが生まれ、また規制ができて・・・の繰り返しでした。

なので現段階では、還付をするのだったら消費税入っている売上と消費税が入っていない売上との割合を考慮しますよ。
つまり丸々消費税の還付は受けれないよ。
というのと、んでもって免税事業者だけど課税事業者を選択するんだったら、3年間は課税事業者のままでいてねということになっていたのです。
※ちなみに免税事業者だと消費税還付もなくなってしまうので。
不動産買って還付をしたのはいいけど、そのあと2年間は消費税を国に支払ってねと。

で、ここにきてインボイス制度。
制度としてはこれから進む段階なのでどうしても穴はあったりするのです。

免税事業者が課税事業者を選択するのが結構普通になってくると予想されますが、その際に消費税の還付するスキームを防ぐ規制とバッティングしてしまうので、それを避けるための制度設計になっている。

どういうことかって言うと、仮に飲食店を開業しよう!と思ったときに、

【今までの制度】
●還付を選択
初年度目:課税事業者になって還付を受けるんだね。3年間縛りあるよ。
2年目:課税事業者になったんだったら消費税払ってね。
3年目:課税事業者になったんだったら消費税払ってね。
4年目:2年目の売上が1000万超えたのだったら消費税払ってね。

といった感じで、それだったら

●還付しないを選択
初年度目:免税事業者になるんだね。そうすると消費税関係ないね。
2年目:消費税関係ないね。
3年目:1年目の売上が1000万超えたのだったら消費税払ってね。
4年目:2年目の売上が1000万超えたのだったら消費税払ってね。

という風にどっちが得なのか選択できたのです。
※基本的には消費税払わないほうが全然お得です。

それがこれからの制度としては、
【これからの制度】
●還付を選択
初年度目:課税事業者になって還付を受けるんだね。→縛りがないよ!!!
2年目:免税でもいいよ。
3年目:1年目の売上が1000万超えたのだったら消費税払ってね。
4年目:2年目の売上が1000万超えたのだったら消費税払ってね。

と良いとこ取りが行える状態なのです。
縛りがない状態なのです。

還付をしてもらって、そのあと免税事業者になって消費税を払わなくてもいい。

ほぼ100%改正は入るかと思いますが、入らなかったら結構考え物で、逆を言うとその時期に開業する人は、結構なスタートダッシュができるかもしれないということですね。

色々とややこしいですね。



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