スキルは属人的でも良い。

属人化とは、特定の社員が担当している業務の詳細内容や進め方が、当人以外では分からなくなってしまう状態を指します。 一般的にネガティブな意味で用いられており、担当社員が突発的に休んだ場合や退職した場合などに問題が顕在化します。

CXジャーナルより

まず、属人化とググると上記のような定義が出る。
属人的とか属人化は組織という視座で考えると良くない事は明確であり、リクルート時代にもGMがメンバーの人材育成会議をする際に「あいつは属人的な所が課題だ」というネガティブな言葉として多く使われたし、上司からも属人化しないようよく言われた。

確かにタスクや案件の情報を敢えてクローズし、自分しか分からない状態にしておく事は相当イマイチだし、自分もそんな人材はいらない。
汎用化、標準化出来るように仕組みにすべき。

一方で、経験から醸成されたスキル であればどうか?
「これはあの人しか出来ない」「あの人にお願いしたらもっとクオリティが上がる」
このスキルも属人化という言葉で括られて「自分だけ出来るのでは良いのではなく、そのスキルを伝承しメンバーを育てろ」的な言われ方もする。

これも経営者や事業責任者の観点では正しく、その人に依存する事は、いなくなった際のリスクが大きいのでリスクヘッジをしないといけない。

ただ、属人化しているスキルを持った人側の視点に立つと、折角優位的なスキルがあるのに、それは良くないと思い込み、持っているスキルを更に尖らせる方向ではなく、下を向いて伝承する方向に向き、多くの時間を使い標準化してしまう。

これはあくまでも経験での実感値だが、スキル曲線は課長職くらいまでは上がっていくが、部長職以上になるとスキルの伸びが減って酷いと横ばいになる。ただ、給与額は上がっていくので、スキル当たり給与額は増える。
大企業の部長は、役員が戦略を決め、実行は課長以下がやるので、究極の中間管理職になっており、コスパはとても良いが、もし仮に転職をしたい場合、問われるのは実績とスキルなのでその給与を維持する事が出来ず、結果その企業に残り続けて何とか自分のポジションを守ろうと必死になる…

自分は過去、部長になる話を何回か断り、営業から事業開発部へ異動させてもらい、35歳からまたメンバーから徹底的にやりGMやPJLまで経験し、そこで上を目指すのではなく起業した。

起業(最初は独立)の際、自分の携わっているPJが、知識・スキルの観点で属人化していたので代わりがおらず、退職したが業務委託のコンサル契約に切り替え今は後方支援をさせて頂いている。

営業時代には顧客に徹底的に向き合って伴走していたので、退職の話を聞いた顧客から新規事業立ち上げに伴うコンサルや営業支援の全面的な依頼を頂き、今ではがっつり介在している。

もし、ご自身が会社での出世に興味が無く、独立や起業を目指したい場合、持っているスキルは徹底的に尖らせ、その持っているスキルとシナジーを生める周辺スキルを身につけていくと良いと思う。そうなると「唯一無二」の存在になり、個人がブランドとなる。

もしご自身が会社の外に出た時に問われる事は3つ。
・あなたにはどんな価値があるの?(どんなスキルがあるの?)
・それは本当なの?(どんな実績を積んできたの?)
・その価値をどう活かせるの?(あなたを買う事でどんなシナジーがあるの?)

ではその為にどうすれば良いのか?
それは簡単。
・やりたい事、やると決めた事を、徹底的にやる
・やる時は1つに集中する(他の案件は最少の工数で捌く)

徹底的に とは、「最悪自分が全部やるくらいの覚悟」でやる事。
結果を最大化する為に、戦略や現状の構造(メカニズム)を分析し、最適なプロセスを考え、マイルストンを置いて実施しピボットを繰り返す。
テーマは何でも良いがまずは1つに集中した方が良い。経験上その方がタイパは良い。こういった経験を積み上げると複数の高難易度案件を複数回せるようになる。

今の会社で出世し定年まで目指しているのではあればこの話は無視して頂いて良いし、寧ろ「余計な事を言うな」かもしれないが、もし将来独立や起業を考えて仕事をしているのであれば、スキルの汎用化や標準化の時間より、持っているスキルを更に尖らせる事(得意な事をより得意に出来るよう鍛錬する)、そのスキルとシナジーの大きい周辺スキルを身につける事(得意な事を掛け算に出来るスキルを習得する)、それを徹底的な経験を積み上げる事 が大事かと。

丸ではなく、星の尖を大きくしよう。

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