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=AKANE= 第十八話 最後



そして秋風あきかぜつめたくなってきた11がつ下旬げじゅん


かれ授業じゅぎょうやす部活ぶかつでも勇次の姿すがたられなかった。


学校がっこうやすんだことがなかったので不思議ふしぎおもってちかくにいた男子部員だんしぶいんいてみた。


するといえ事情じじょうやすんでいるそうだった。


そのときはさほどにもめなかったけれど、


つぎもそのつぎも勇次はなかった。


さすがにどうしたのかとおもったが、このときわたしかれいえ電話番号でんわばんごうらないことにづいたがどうしようもなくただ時間じかんぎるのをった。


日曜にちようになればえるだろう…


体調たいちょうわるくないのなら船岡山公園ふなおかやまこうえんへはるだろうとたかをくくっていた。




そして日曜日にちようび


わたしすこはやいえ公園こうえんへやってきた。


時間じかんをつぶすために入念にゅうねんにストレッチをしているとかれ何事なにごともなかったかのようにあらわれた。


いつもにもして言葉数ことばかずすくなくただ自分じぶんしたメニューを淡々たんたんとこなしていた。


ただラリーのときにはわたしへのアドバイスはいつも以上いじょうおおかった。


勇次「茜!テイクバックのときひじがあがりぎだ!おくれるぞ!」


勇次「バックハンドもしっかり両手りょうてでトップスピンかけられるようにしろ!」


勇次「ひだりへのしがみぎより一瞬遅いっしゅんおそい!相手あいてかならずそこねらってくるぞ!克服こくふくしないと!」


わたしのウィークポイントを的確てきかく指摘してきしてくれる。


今日きょうの勇次はいつもとどこかちがった…


やすんでいたこととなに関係かんけいがあるのか?




一通ひととおりりのメニューをえてラケットを片付かたづけながらわたしいてみた。


茜「勇次、学校休がっこうやすんでたじゃん?どうしたの?なん家庭かてい事情じじょうで、ていたんだけど…」


勇次「………………」


茜「………あ、ごめん……なんか…いちゃいけなかったかな?」


勇次「いや………」


茜「いたくなかったら無理むりわなくてもいいよ…」





勇次「………オレ………」


茜「……なに?」



勇次「ここで茜とトレーニング出来できるのも今日きょう最後さいごだ……」



茜「え…………」





第十九話へつづく…



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