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=AKANE= 第十七話 名前



秋季大会しゅうきたいかいわったつぎ日曜日にちようび


いつもどおわたしたちは船岡山公園ふなおかやまこうえんでトレーニングをしていた。


最初さいしょ園内えんない五周ごしゅうかれとほとんどおなじペースではしれるようになっていた。



広場ひろばでストレッチをしているとかれはなしかけてきた。


樋口「しかったな…」


茜「うん、でも決勝けっしょう内容ないようはあっちがあきらかにうえだったよ……やっぱたちばなつよいわ」


わたし決勝けっしょうたった橘高校たちばなこうこう私立高校しりつこうこうとくにテニスとバレーはちかられている女子校じょしこうだ。


樋口「今年度こんねんどはあと近畿選抜きんきせんばつだけだな、おおきな試合しあいは…」


茜「うん」


樋口「がればかならずまたたるだろ」


茜「うん、つぎ絶対ぜったいけない!」


樋口「つぎはおまえのこと研究けんきゅうしてくる相手あいておおいぞ!」


茜「そんなやつらぶったおしてやるよ!♪樋口くんとこうやって毎週まいしゅうトレーニングしてるし」


樋口「…………」



二人で次の大会のことを話していたが彼は急に黙り込んだ。



茜「え、どうしたの?」


樋口「なんかさ、その………」


茜「なに?」


樋口「かたなんとかなんねーのか?」


茜「え?なんとかって……?」


樋口「『勇次』でいいよ!オレも『茜』てんでやるから!」


茜「なによそれ!?自分じぶんんでもらいたいだけじゃん?」


樋口「げーよ!」


茜「いいよ、んであげるよ『勇次』!♪」


と、少しからかうようにうとかれ背中せなかけ…


樋口「チッ!わなきゃよかったよ!」


と、った。


茜「アハハ、自分じぶんしておこってやんの!♪」


樋口「うるせっ!つぎラリーすっぞ、茜!」


茜「はい、はーぃ♪」



そして広場ひろばでラリーをしていると…



「あ、ほらいたいた!♪」


と、こえがしたのでると理佐と由依と美波がやってきた。


茜「え、どうしたの?」


理佐「おいわいだよ」


美波「ほら、ケーキってきた♪由依ん三人さんにんつくったんだ♪」


茜「うそー!!?」


由依「優勝ゆうしょうのがしたけど準優勝じゅんゆうしょうのおいわいと、樋口くんの優勝ゆうしょうのおいわいとね♪」


樋口「え、オレも?」


理佐「そうだよ、どっちかってうと茜は準優勝じゅんゆうしょうくやしいだろうから樋口くんの優勝ゆうしょうのほうがメインかな?笑」


茜「そうだよ!くやしいよ!!」



茜「でも…………うれしい♪ありがとう♪」


美波「ちょっと休憩きゅうけいしてべようよ♪ジュースもってきたし♪」


そしてわたしたちは野外劇場やがいげきじょうのベンチで三人さんにんつくってくれたケーキをべた。


結局けっきょくそのはそこでおしゃべかいになってしまってトレーニングは出来できなかった。



かたむはじめるとかれは、


樋口「オレそろそろかえるわ」


と、ってあががった。


理佐「ごめんねトレーニングの邪魔じゃましちゃったね」


と、理佐がうと…


樋口「あぁ、うん……まぁ大会終たいかいおわったばっかだから……たまにはこんなのもいいかも」


と、った。


そして理佐がつづけた…


理佐「樋口くん、茜のことよろしくね♪」


樋口「え?あぁ、うん……そりゃまた一緒いっしょ優勝目指ゆうしょうめざすよ」


理佐「うぅん、そう意味いみじゃなくって」


樋口「え?」


美波「もぉー!スポーツマンはそううとこにぶいのか!?」


茜「ちょっとあんたたちなん勘違かんちがいしてんじゃないの!?」


由依「勘違かんちがいしてるのはどっちかな♪笑」


茜「ちょっともぉー!へんなことわないで!!」


樋口「なんかよくわかんねぇけど……ケーキありがとな、ごちそうさま」


と、ってかれかえっていった。


美波「あーぁ、もうちょっといじりたかったなぁ〜」


茜「何言なにいってんのよ!勇次とはそんなんじゃないよ!」


三人「………♡」


理佐「『勇次』だって!♪」


由依「名前なまえってんの?♪」


美波「キャーッ!!」


茜「ちょっと!そんなんじゃないってってるでしょ!!」


かれかえっていったが、わたしはしばらくこの三人さんにんにいじられ放題ほうだいであった……




第十八話へつづく…



=AKANE= 第一話はこちら




本編『だって、恋したいもん!』はこちら





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