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写真のこと

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写真やカメラに関する記事のまとめ。参考になるものや繰り返し読み返したいもの。
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記事一覧

写真を教えてくれた幡野さんへ

幡野広志さんへ。 この間は、写真の撮り方を教えてくださって、ありがとうございました。 幡野さんと、高校生と、三人で京都を歩いているだけでも、笑いっぱなしで楽しかったです。 京都はあいにく、秋冷えする雨でしたね。わたしは一族きっての晴れ女なので、大切な予定の日に雨が降るという慣れない無念さにズゥゥゥンと沈んでいましたが、幡野さんは気にも留めませんでした。 「雨が降った日に歩いたんだから、雨が降ってる写真がいいんだよ」 ビッチャビチャの参道、ドロドロの枯山水、グジュグジ

「うまいけど、ダメな写真」と「ヘタだけど、いい写真」

作家の岸田奈美さんと16才の男子高校生に写真を教えることになった。二人ともカメラのことも写真のこともまったく知らないようだ。それでもシャッターを押せばうつるのが写真の魅力のひとつだ。 しっかりのレベルにもよるけど、カメラのことと写真のことをしっかり学ぼうとしたらそれなりに時間がかかる。大学や専門学校で写真を専攻したぐらいだと、撮影現場ではまったく役にたたず、足をひっぱるだけの存在になって辛酸をグイッと飲まされる。(あれ、つらいよね) どれくらいの時間をかけてどこで何を学ん

「みんなのフォトギャラリー」に画像を提供して思うこと | 金曜日のひとりごと

noteで忘れたころにぽつっと届く「〇〇さんが、〇〇であなたの画像を使用しました」という通知。 「みんなのフォトギャラリー」にわたしが提供した画像を、誰かが投稿で使ってくれたというお知らせだ。 わたしは現在、18枚の画像を「みんなのフォトギャラリー」に提供している。 90以上のnoteで使われた画像もあるし、まったく使われたことのない画像もある。 たまたま、noteで記事を見ていてわたしが「みんなのフォトギャラリー」にあげた画像を使用した投稿にであうことがある。そんな

3%の偶然

昨年末に中判カメラのRZ67を購入したとき、サブ機と露出計を兼ねてGR IIIを一緒に購入した。 軽量でコンパクト、操作も簡単なので電源ボタンとシャッターボタンぐらいしか知らない息子と妻もよく使っている。軽量なので息子がカメラを落として足を怪我をする心配もなさそうだ。 子どもが生まれたことをきっかけにカメラを購入する人は多い。スマホが普及する以前は子どもの運動会をきっかけにビデオカメラを購入する人が多かったらしい。 広告の影響ってすごいよね。バレンタインのチョコレートも

花を撮ること

花肖像、というタイトルで花の写真を投稿することがよくあります。それは、切り花を部屋で撮ったもののことがほとんどです。「肖像」というのは人物の外観を表現したものをいう言葉なので、正確ではないと言えるでしょうね。でも、それ以外が思いつかないのでこの言葉を使い続けると思います。 以前、人を撮るように花を撮るというようなことを書きました。花に対して、やはりどこか擬人的な見かたをしてしまうところがあります。特に、じっと向き合っているといろいろな見えかたができてしまって。 対象が植物

フィルムライクなスマホ写真を撮るなら、「Dazzカメラ×iPhoneポートレートモード」が最強かも。

フィルムの価格高騰が相次ぎ、いよいよ気軽には人にフィルム写真を勧められなくなってきました。 そんな状況だからか「フィルムには手が届かないけど、いつも持っているスマホで簡単に映える写真を撮りたい」という需要から、フィルムライクな写真が撮れるアプリが増えてきたように感じます。 そんな数あるアプリの中でも、私が特にオススメしたいのが、「Dazzカメラ」。 アプリを使って撮ることもできれば、ノーマルカメラで撮った写真をワンタップでフィルムライクに変身させることができる魔法のよう

レシピ写真撮影の舞台裏に潜入!“私にも作れそう”ができるまで

「AJINOMOTO PARK」では、社員がレシピ写真のスタイリング・撮影をする場合もありますが、サイト内のテーブル演出の多くはプロのフードスタイリストさんによるもの。レシピやスタイリングのイメージについて、味の素社レシピ担当者と丹念にすり合わせを行い、“私たちが伝えたいこと”を表現するためのお手伝いをお願いしています。 家庭料理らしい“温かみ”や“親しみ”のイメージを大事にしながら、レシピのジャンルや季節、こだわりポイントなどをひとつひとつクリアにして、季節やシーンごとの

有名構図は定期的に撮りたくなります。同じ場所で撮った過去の写真と見比べると、その時々での考え方の違いが写真からみて取れます。そんなわけで自分を顧みるのには同じ写真を定期的に撮るのが良いですね。今回は濃い青を活かしたサイバーなレタッチです。あれここの写真はいつもサイバーな気が、、

写真を変えたければ、オールドレンズを使おう

オールドレンズを使えば写真は変わる。 ……どういうこと? と思いましたか? 冗談で言っているわけではありません。 繰り返します。 「オールドレンズを使えばあなたの写真は変わる」 これは私の本音であり、実感です。 例えるなら、オールドレンズを使うというのは「縛りプレイ」です。 ストリートファイターで特定のキャラだけを使うように。 ナイフ一本でバイオハザードをタイムアタックするように。 あえてオールドレンズという「縛り」をもうけることが、変化につながるのですね。

失敗しない! オールドレンズの賢い買い方

オールドレンズを買うときって、心配ですよね。 ちゃんと動くのかな? 保証は大丈夫かな? 壊れてないかな? 不安はたくさんあると思います。 しかも安い買い物ではありません。 諭吉さんを支払って大失敗したら、お財布だけではなく心にまでダメージを受けてしまいます。 でも大丈夫、このnoteがあれば正しくオールドレンズを買うことが出来ます。 「何を調べればいいのか」と「どこで買えばいいのか」にわけて説明しますので、参考にしてください。 「オールドレンズって何? どう使うの

「好き」が一番の原動力。写真人生のこれまでと、これから。|Artist Interview - Yukinori Hasumi 6/6

What’s “Artist Interview” ? 写真のCURBONが、「写真の階段の登り方」をテーマに、活躍中のアーティストにインタビューする連載企画。Hasumi Yukinoriさんのインタビューを公開中です Hasumi's profile (@833__3) 埼玉県出身。”都市”の魅力を表現することを追求しているフォトグラファー。癒しや安堵を与えてくれる夜の街明かりをアイデンティティとし、東京とニューヨークへの強い愛着を原動力に、”都会への憧れ”を想起させる

表現のコモディティ化と感受性の無気力化

今日の記事は前回の文章の続きの話になります。前回の文章が「SNSにおいては表現がことごとくコモディティ化してしまう」という話でした。そして記事の冒頭にあとから付記した大事なことなんですが、あの文章は「システム論」なんですね。言い方を変えると、「個人の力では逃れることができない巨大な動き」の話でした。そして今回はそのシステムに巻き込まれた我々人間に何が起こるのかということです。前回が「作り手」側の視点での話だったとすると、今回は「受け手」側の視点からの分析です。 再び最初に要

SNS時代における「表現のコモディティ化」

今回の文章は、この2年ほど色々書いてきた「SNS時代の表現」というテーマの、現状におけるまとめみたいな話になります。最初に要旨を書くと、たった一文でまとめられます。それはこういうことです。 SNSにおける情報伝達の超高速化によって引き起こされる「表現のコモディティ化」に、我々はどうやって抗うのか。 この場合のコモディティ化とは、「ある表現が瞬く間に代替可能品で溢れかえるようになること」を指します。つまりSNS時代、特に今後5Gが整備され、情報伝達がさらに加速化し、空間の距

12月の風景写真集

どうもO太郎です。 12月も東京の夜を中心に都市風景を撮影してきました。 大都会を感じる街の明かりはいつ見ても飽きることのない魅力がありますね。 ということで2020年最後の記事になります。 ▼東京タワーの夜を待つ α7Rⅲ sigma 24-70mm F2.8 DGDN 70mm ISO:100 F11 SS:8sec お気に入りの東京タワー撮影スポットでの1枚。 C字に曲がるレーザーの先に東京タワーがあるこの構図は教科書のような構図になっています。 全体的