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第27椀 秀吉の大坂城昆布味噌汁

初出:2016年6月10日

<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから

「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタートしました。世話人、お味噌汁復活ライター、一般読者が思い思いの味噌汁を投稿しています。

味噌汁の出汁・味噌・具材を、それぞれに深く楽しく考え広め、毎日の食卓に味噌汁をいただく習慣を復活させるべく、活動の場を広げています。

私コイタは第1期からお味噌汁復活ライターをさせていただいております。ここでは私の書いた記事をまとめて紹介しています。

戦国武将と味噌シリーズその7

「秀吉の大坂城昆布味噌汁」

郷土料理には、その土地の戦国武将のエピソードがからんでいるものが多いのですが、実はあとから面白おかしく作られた話や、無理やりこじつけたような話も多いんですね。そんな逸話が講釈師の手にかかりますと、さらに話が盛られまして嘘のような本当のような、やっぱり嘘のような話が生まれた背景になっているようです。今回はそんな話をひとつ講談調に語ってみたいと思いますので、しばらくお付き合いのほどを…。

豊臣秀吉が大坂城の石垣を築いた時の話。なんでも大坂の町中のあちこちに干からびた昆布が大量に捨てられていたんだそうですな。これは、お城の石垣に使われている大きな大きな石を運ぶのに、昆布が使われていたからだそうで。つまり水でふやかしてぬるぬるさせた昆布を下に敷いて「ころ」の滑りを良くしていたという。

「もったいないから食べてみようか?」「いや~、これは食べられへんやろ~」なんて話をしてたんでしょうか。それがいよいよ煮て食べたてみたらば、思いのほかおいしかったことから、大阪に昆布文化が生まれたとか、生まれてないとか…「講釈師、見てきたような嘘をいい」パパン、パン、パン。おあとがよろしいようで。

いかがでしたでしょうか?この話のほとんどはマユツバものです。なにせ昆布は戦国時代より以前から食べられていまして、戦の兵糧としても重宝されていたそうですし。

今回はそんな昆布や鰹節、こうや豆腐と、すべて乾物だけで作ったお味噌汁に仕立ててみました。現代でも野菜が少ない時期など手軽に使えて良いですね。また、災害の際の備蓄食料に乾物は必須だなと最近特に感じています。

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「秀吉の大坂城昆布味噌汁」
出汁:鰹節
具材:刻み昆布、こうや豆腐
味噌:手前味噌(米麦混合麹)


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