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偽史への対処

建国記念の日であるが、保守を自称する鼻息の荒い右翼と鉢合わせたくない為、本日は外出を控え、自宅で書見などをして過ごすつもりでいたのであるが、ふと第二次安倍内閣成立後より、日ユ同祖論や秦氏の伝説、出雲大社に纏わる秘史なる、二十世紀には粗雑なオカルト雑誌でしか取り上げられなかった様な荒唐無稽で、眉唾物と言わざるを得ない言説が、インターネットの動画広告等でも大々的に取り上げられるようになった事を思い出し、加えて、季節柄、丁度、大学受験を控えた受験生もいるであろうから、日本史、世界史の対策も兼ね、私がそうしたトンデモ説、偽史へ如何に対処してきたかをここに記す。
遡れば小学生の時分より、歴史のみならず社会科学への関心が高く、以後、中学、高校、大学時代を通し学習を継続し、社会人となった後は単なる学びでもなく、個人研究の域に入ってはいるが、歴史研究をするに当たり、基礎を構築したのは約十三年前の受験勉強であった。高校三年生の頃、山川出版社の日本史Bの教科書の内容を暗記する為、約一年かけて熟読、加えてセンター試験(現在の大学入学共通テストの前身)の一ヶ月ほど前に再度教科書を隈なく三周読み込み、加えて赤本と、書名は失念したが薄い問題集を解き、本番では百点満点中、一問失点の九十七点という個人的にも満足のゆく結果を達成する事が出来たが、この時の日本史についての体系的学習が、後に、偽史や社会通念上、恰も歴史的事実と見なされている伝説や口伝の類に騙されない、強固な判断基準を形成するにあたっての一助となった事は否定すべくもない。また大学入学後の事ではあるが、上記の方法で世界史Bについてもマスターしている。私のみならず多くの方が指摘している事であるが、十代の記憶力の良い内に四の五の言わず、高校教科書の内容は全て憶えてしまった方が、後々の為にもなる。
現在、カリキュラムが変わった事と、考古学の分野での新たな発見により、私が受験生であった時代と歴史書の内容は変わってきており、教科書が改訂される度、三省堂書店にて新しいものを購入し、知識のアップデートを加えているが、言うなれば、過ぎ去りし歴史の中に新たな発見を見出す事は脳の刺激になる。
学ぶにあたって特段、教師も講義も不要で、全て自力で学習すれば最も効率と知識の吸収力が良くなるものであり、また社会人となれば、業務以外に割ける時間が減り、他人の助けを借りずに独学するのは当然の事になる為、十代後半から二十代初頭の学生諸子には、人生の早い段階で自学自習の癖を付けて頂きたく思う。

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