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旅21-モンテネグロを見ずしてアドリア海を見たというなかれ!?

Steveに町中まで送ってもらい、バス乗り場へ。目的地はブドヴァ。アドリア海に戻るのだ。内陸に入ってからドブロブニクは暖かったなあと思うこともあったが、もう11月後半、内陸とほとんど気温が変わらず。日蔭は特に寒い。そうはいってもあまりに美しいアドリア海。アドリア海と言えばクロアチアってイメージがあるが、それはどうか? 海外線のほとんどを通ってみた感覚では、ビーチ(砂浜)の数は断然モンテネグロの方が多い。デカイ街はないけどね。そんな、モンテネグロの海岸線について。

僕が宿をとったブドヴァはモンテネグロの中でも最も宿が充実。Steveに教えてもらったバスステーションそばのSOBE(半民泊)に入る。英語不得意も優しいおばちゃんの家で、自家製マンダリンを頂く。方向もなにもよくわからずとりあえず皆が指す方向へ歩く。海が見える。進路をまっすぐ海へ。綺麗で静かなアドリア海に到着。

右手に城壁が。あれが旧市街だ。

小さいが、ここは今までで一番雰囲気のいい旧市街だと思う。建物がそれほど高くないからか明るく、生活感と歴史のよいバランス、海の静けさと荒々しさを堪能、城壁の上を歩きつつ街並みを見れる。それに、物価が安い。クロアチアに比べると気軽にくつろげる。一応リゾートなのだが、モンテネグロにあるのでちょっと割安感。

次の日はクロアチア国境に近いヘルツェグ・ノビと世界遺産コトルへ。
ヘルツェグ・ノビまで1時間30分。バスはずっと海岸線を走って行く。海岸線はどこも海からすぐ山になっているから、高低差のある道。モンテネグロが“黒い山”という意味なのも頷ける。かなり朝早く出たから街はまだ眠っている。今日は日曜日だ。海からの坂に作られた旧市街、一番上にある砦に入れなかったので、海岸へ。砂浜もある。港もある。僕は眠いので平らな岩の上で仮眠。

街を歩き、カプチーノ・スイーツを頂く。横では家族連れの女の子が一生懸命ストローでジュースを飲んでいる。なかなか減らない。もう行くよ!の声にイヤイヤし、待ってとねだる。

コトルへ。世界遺産に登録されている町であるが、それほど大きくない。僕は真っ先に山の上の方へ延びる城壁の入口へ向かった。登るのだ。あの高い砦のところまで登るのだ。結構急な登りであり、すぐにコトルの町が眼下に見下ろせるようになる。街だけではなく、山も港も湾も一望できる。この辺りは“ボカ・コトルスカ”と呼ばれる湾で、コトルはその最奥部。何とも素晴らしい景色なのだ。僕の写真で分かってもらえるだろうか?

この3都市に加え、アドリア海岸には他にも魅力的な街が見えた。
特に、コトルとヘルツェグ・ノビの間にあるPOZDRV IZ PERASTA。ここの町の沖には2つに島があり、片方はモスクのような建物、もう片方は木々に囲まれた建物がある。もう1つはブドヴァより南にあるSeveti Stefan。海岸にある町から砂州が伸び、その先に丸く町がある。イメージとしてはフランスのモン・サン・ミシェルのような感じ。この2つの街は地球の歩き方にもロンプラにもほとんど記述がない。

ブドヴァを中心に、南北それぞれ1時間30分のモンテネグロの海岸。世界遺産コトルにはなぜか宿の数が少ないようなので。そこに日本人宿作ってみたいなあと心に過るくらい、いいところです。
このnoteの題名はもちろん『日光を見ずして結構というなかれ』をモジったものです。クロアチアのアドリア海も美しいのでそれはそれで充分なのかもしれませんが、自然の美しさの場合はマイナーな場所こそがよいってことが多い気がします。フリーな旅路の良いところは、旅のフォーカスを広げつつふと目に留まるものにフォーカスを絞るというアナログな発見とそれを感じた自分に出会えることにある、そう思い直したのでした。

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