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タイの県名、その由来、(4)

กาญจนบุรี (カーンチャナブリー)=金(きん)の町
กาญจนา (カーンチャナー) は、光を有するもの。という意味があり、金の文語である。単独で使うときには、母音が伸びる形となる。日常語では ทอง (トーン) を使う。
 
エラワン国立公園やサイヨーク国立公園などを擁し、大自然の宝庫とされるカンチャナブリー県は、西側をミャンマーと接し、古の時代から、国際都市として、様々な民族や文化が共存する街であった。国境の街サンクラブリーには、仏教を熱心に信仰するモーン族やカレン族の人々が昔ながらの素朴な暮らしを営んでいる。

数々の遺跡が発見され、先史時代から、クメール帝国時代の歴史を伝える、遺物も発見されている。第二次世界大戦中には、日本軍の侵略を受け、映画にもなった「戦場に架ける橋」が示すように、捕虜を駆使した鉄道建設が行われ、戦争の悲惨さを今に伝えている。

また、同県は、タイ最大の鉛鉱脈があることで有名だ。古くから採掘が進んでいたようで、主要な輸出品となっていたようだ。日本の戦国時代、火縄銃の玉として、鉛が利用されていたが、その一部は、タイのソントー鉱山から採掘されたものであることが、確認されている。(鉛は、埋蔵されていた地質環境によって、その同位体比に変動が生じることから、サンプルさえあれば、化学分析で、採掘場所の特定が可能な唯一の金属である。)
 
県章
ミャンマーとの国境、サンクラブリー郡にある、スリー・パゴダ・パスにある三つの仏塔がデザインされている。

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