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コロナについての疑問(4)

これは(4)です。まだの方は(1)から読むのをおすすめします。


日本人(東アジア人)のコロナ感染者が少ない理由は?

 日本(や東アジア)のコロナ感染者がアメリカや欧米諸国に比べて低いことの原因について、ファクターXなどとしていろいろなことが言われてきた。原因は人種なのか、マスクなのか、手洗いの習慣なのか、あいさつで接触するかどうかなのか、など、いろいろ議論がされてきた。しかし、人種(遺伝的要因)かどうかはごく簡単にわかるのではないだろうか?膨大な人数の患者のいる多民族国家アメリカには、多くのアジア人が住んでいる。日系人も中華系も韓国系もいる。アメリカで人種別に感染率を調べれば、人種が感染率の大きな違いを生んでいるのかどうかはすぐにわかると思う。アメリカに住んでいる異なる人種間でも文化は多少違うだろうが、日本国内・韓国国内などとアメリカの生活習慣の違いほどの違いは人種間でないはずで(何世代か前から住んでいる場合は特に)、すぐに切り分けできると思うのだが…。コロナの感染が始まってからだいぶ時間が経っているが、アメリカでの調査をもとに、人種的(遺伝的)要素が原因なのか生活習慣の違いが原因なのかを考察した説明などをテレビや新聞で聞いたことはない。出演している専門家からも聞いたことがない。なぜなのだろう?まさか、そんな単純な分析手法に感染症の専門家が思い至らないはずはないと思うが…。(そういうことをその場で突っ込んで聞かないキャスターもキャスターだが…)

接触確認アプリCOCOA

 接触確認アプリCOCOAでは、1m以内に15分以上一緒にいた人を検出できるということである。

 しかし、実際には、15分も一緒にいなくても感染するのではないだろうか。レジの店員は、客と15分も一緒にいることはない。でも、透明シートや手袋などで感染対策を行っている。15分一緒にいなくても感染することがあるからだろう。バスの運転手も透明シートなどで感染対策をしている。こちらも、15分も一緒にいなくても感染することがあるからだろう。また、相手と1.5m離れていたら、このアプリでは接触とみなされず、検知されない。しかし、1.5m離れていても、部屋を密閉された状態である程度の時間、感染者と一緒にいたら感染することはあるだろう。また、二人で向かい合って食事をする場合、二人の間の距離が1m以上離れていることも多いだろう。これも検知されないことになる。だが、二人での食事はかなりリスクが高い行為ではないだろうか?

 さらに、病院でのクラスター感染では、トイレのドアノブを介して感染した事例もあることが確認されている。この場合は、1mの距離に一度も近づかなくても感染することがあることを示している。当然、この場合もCOCOAでは検出できない。

 自分は、COCOAの基準をもっと緩くして検出できる数を多くせよ、と言いいたいのではない。もちろん、COCOAがこの基準を採用している理由はわかる。もし、2mの範囲にすれば、満員電車に乗っていたりすれば、4倍の人数の人が対象となってしまい、かなりの数の人が検知されてしまうことになるだろう。また、ほんの短い時間でも感染することがあるからといって、近くにいた時間が短くても検出できるようにすれば、駅ですれ違う人やレジに並んだ前後の人など、何十倍、何百倍もの人間が対象となってしまうだろう。
このアプリの目的は、本当にリスクが高い場合だけを検出しようというものであろう。自分としては、このようにリスクが非常に高い場合を検出するだけで、どの程度の感染ケースが検出されるのかを知りたい、ということである。これで5割くらいの場合をカバーできるなら十分に意味があるが、全感染の5%くらいしか検出できないのであれば、かなりメリットは少ないからである。こうした情報は、人々がCOCOAを導入するかどうかの判断にも関わってくるのでかなり重要なはずである。しかし、自分は、メディアでこうした説明を聞いたことはないのだが…。

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