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やってる感だけのコロナ対応(4)

これは(4)です。まだの方は(1)から読むのをおすすめします。


映画館やデパートの休業 

 2021年4月の第3回目の緊急事態宣言で、国は、映画館やデパート・美術館や博物館の休業を要請した。人の流れを抑制するためだという。

 飲食店の時短や酒の提供を終日やめるよう要請するのはまだわかる。それについても十分な根拠は聞いたことはないが、実際に会食でクラスターも発生しているし、マスクをつけずに至近距離で話すことになるわけなので、それはリスクが高そうだということは容易に推測はされる。

 しかし、映画館や美術館や博物館でのクラスターは聞いたことはない。デパートも混んでいるのは食品売り場で(2021年夏には食品売り場ではクラスターも発生した)、それ以外のフロアは通常かなりすいている。にもかかわらず、食品売り場は生活必需品だから開けてよく、それ以外の(安全なはずの)フロアを閉めろという。はっきり言っておかしい。リスクが少ないところを休業にする必要はない。映画館・美術館・博物館・デパートで働く人たちの生活はどうなるのだ。

 人の流れを減らすためだというが、人の流れを減らすのは目的ではない。感染のリスクがある行為を減らすのが重要である。それ以外の感染リスクの少ない人の流れはいくらあってもいい。むしろ、感染リスクの少ない活動はどんどんしてもらって、ストレスを発散してもらい、経済もそちらで回してもらい、感染リスクの高い行動だけを強く抑制することが重要である。しかし、他にやりようがないからか、感染リスクの低いそうした場所を閉めさせていた。これは、見栄えのする施設を閉めることでやってる感を出すためだとしか思えない。

 2020年の第一回緊急事態宣言の時には、個々の業種のリスクがまだ十分わからなかったかもしれないが、1年も経ってからそんなことをする理由がわからない。


鉄道の減便

 2021年のゴールデンウイーク、国や小池都知事は、4/30、5/6、5/7の平日に、鉄道の減便を要請した。

 小池都知事は土日ダイヤレベルの大幅な減便を求めたが、JR東日本は、そこまで減らすと大幅な混雑が起きると考え、20%だけ減らすことにした(JR東日本には減らしても混乱の可能性があるだけで何のメリットもないため、嫌々だったのだろう。)。

 しかし、それでも、5/6、朝の時間帯に深刻な混雑が発生し、通勤する人たちがホームにあふれかえり、鉄道会社はその日のうちに、5/7に減便をやめることを決めた。

 何なんだ、これは。

 こんなこと、やる前からわかるだろう。

 どうしてこんなバカげたことをするのだろうか?

 減便にしたら会社を休みにする企業が増えるとでも思ったのだろうか?
 普通に考えてそんなことになるわけがないだろう。

 大した検討も試算もせずに、やってる感を見せつけるためだけの、実に無責任な指示である。

 混雑した満員電車をわざわざ作り出したわけであり、そこで感染して死亡した人もいるかもしれない。都知事は自ら要請した。また国も要請したということなのだから、菅首相の了承も得ていたのだろうが、こんなことをやろうとした人の責任は厳しく問われるべきである。こんなことを根拠も試算もなく考え、実行した人に政策立案能力も遂行能力もないと言えるわけで、その職務から外されるべきであろう。

 ウイルスにはわからないこともあるし、感染状況がどうなるか完全に予想できるわけではないので、一生懸命考えてやってもうまくいかないこともある。それなら問題はないと思う。

 しかし、これは誰でも簡単に予想できるはずである。こんな簡単なこともわからずにこんな愚かな政策を実施した人の責任は非常に大きく、多くの国民に多大な迷惑をかけた責任をうやむやにしてはいけない。


 次のやってる感だけコロナ対応は、まさに怒りMAXです。




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