見出し画像

立憲は共闘で議席を減らしたのか?(3) ―立憲関係者、野党関係者必見―

これは(3)です。まだの方は(1)から読むのをおすすめします。


維新や国民民主は支持を得たのか?

 立憲民主党は、共産と共闘したから票が逃げたと言われており、共産と対立している維新や距離を置いている国民民主党が議席を増やしたと言われている。しかし、立憲民主党は96議席を取っており、維新の41議席や国民民主党の11議席よりはるかに多い。維新や国民民主党の方が多かったのなら国民はそちらを支持していると言えようが、立憲民主党の方がずっと多い。3議席だけ議席を増やして11議席の国民民主党と96議席を獲得している立憲民主党のどちらが国民の支持を得たかは明らかである。

 立憲民主党は選挙後、オロオロ・フラフラしているが、多少の選挙戦術の修正はした方がよいかもしれないが、全く動じることはないのだと思う。


今回の野党共闘はちゃんと共闘したのか?

 ではどうすればよいのか?

 そもそも立憲民主党は、やるべき野党共闘を十分にやっただろうか?

 まず、2021年衆議院選挙では、野党共闘をしたというが、直前まで候補者調整もあまりせずに、立憲側に嫌々感がずっとあり、選挙が近づいて、混乱の中、バタバタと候補者が一本化されていった。衆議院選挙では、地元で長年の地道な活動が大事だとも言われている。そのためには、選挙が近づいていなくても、数年前から候補者を一本化し、地元で地道に活動させるべきだろう。また、今回は野党間で協力している様子も国民に十分に見せているわけではなかった。一緒に演説に立たないようにしたりして、共闘隠しともいえるような状況もあった。これでは国民に十分に伝わらないし、野党が共闘して自公に対峙しているという迫力もない。野党で協力して自公に対峙している様子を明確に見せることがより効果的だとも思うが、これまで、そういう野党共闘を一度もやったことがないではないか。一度、リベラルな価値観・多様性を前面に出し、逆に共産・社民・れいわと徹底的に本当の意味で協力し、選挙を戦ってみてはどうだろうか?候補を下ろしてもらっている他の野党に、ろくに感謝も表明しないような共闘では、他党も応援に力が入らないだろう。(ただし、個人的には、政権交代は前面に出さない方がよいと思う。また、個人的には、消費税減税なども、財政問題に真剣に向き合っていないことがネガティブに国民に伝わる可能性が大いにあるので主張しない方がよいと思う。)

注目選挙区では勝っている

 2021年の選挙では、甘利明氏に勝った神奈川13区、石原伸晃氏に勝った東京8区など、話題の選挙区ではけっこう勝っている。国民の注目を浴びた選挙区では勝っている。菅政権時代だが、参議院広島補選でも勝ち、横浜市長選でも勝った。静岡知事選も千葉知事選も圧勝であった。衆議院選直前には、参議院静岡補選でも勝った。注目される構図を作り、選挙戦を盛り上げることができれば、共闘野党が勝てる可能性はかなりあるのではないだろうか。

共産との共闘は、結局どうだったのか

 自公の側は、今回の選挙で野党共闘に大きな危機感を持っていた。だからこそ攻撃したわけである。野党共闘は脅威だったのだ。獲得議席を見てもわかるように、実際、そのような結果が出ている。負けたとはいえ1万票以内の僅差まで迫った小選挙区も31選挙区もある。

 だが、期待されていたほど勝てなかったのは事実である。もっと多く勝てなかったのは、立憲民主党が結党の時に持っていた支持を急激に減らし、その後の4年間、民主党や民進党の支持と同レベルに落としてしまったからである。これは共産党との共闘は関係ない。

 立憲民主党が議席を減らしたのを共産党との共闘のせいだとしてやめてしまえば、それは自公がまさに大喜びするだけで、次の選挙の立憲民主党の獲得議席を大きく減らし、自公の議席を大きく増やすことになるだろう。

(4)に続く!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?