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サッカーワールドカップ、日本が勝つとうれしいのか?(1)

 
サッカーのワールドカップで盛り上がる人たちは多いが、日本が勝つのは、そんなにうれしいことなんだろうか?

率直なところ、自分は、特にうれしいことだとも思わない。

冷めた目で見ている人も実はけっこう多いだろうと思うので、特に、そんな方々に読んでもらえれば幸いである。

サッカー好きな人には、一見不愉快に思えるかもしれないが、最後まで読んでもらえれば、少なくとも部分的には理解できるところもあると思う。

日本人であれば日本が勝つのがうれしいのは当然、そう思わない日本人はおかしい、と思いこんでいる人もいるようだが、そういう考えの人が増えるのはたいへん困ったことだと思うので、敢えて書いてみることにした。


なぜ、サッカーばっかり? 

 そもそも、スポーツは、サッカーに限らずたくさんある。バスケットボール、レスリング、フェンシング…。たくさんのスポーツの世界選手権大会があるのに、サッカーのワールドカップばかりが特に注目される。別にサッカーがとりわけ優れたスポーツ、重要なスポーツでも何でもないのに…。

 もっと言えば、応援したくなるかもしれない対象はスポーツに限らない。自分からしたら、ショパン国際ピアノコンクールなどの方がはるかに応援するに値することだと思う。四角い金属の枠の中にボールを入れるという行為に比べて、ピアノを演奏することの方が、自分にははるかに意義のあることに思える。他にもありとあらゆる分野で国際的なコンクールやコンテストなどが実施されている。例えば、優れた報道をしたジャーナリストに贈られる国際的な賞を日本人が取ることの方が、自分には、ボールをゴールに入れることより、はるかに重要なことに思われる。自分は、そっちの方をより喜びたい。

 が、ショパン国際ピアノコンクールやジャーナリストの賞に熱狂する人など、残念ながらほとんどいない。

 サッカーに多くの人が熱狂しやすい理由は、簡単に想像がつく。まず、ジャーナリズムや音楽に比べると、スポーツの方がプレーの経過や結果が単純でわかりやすく、関心を惹きやすいからだろう。そして、サッカーは、比較的ルールもわかりやすく、かつ、なかなか得点がしづらいスポーツなので、得点が劇的な効果を生み、単純な興味を惹きやすいからだろう。

 

本当の実力でもないのに…。

 だが、自分には、サッカーのワールドカップは、極めていい加減なものに思える(これはサッカーだけではないのだが…)。なぜなら、ワールドカップは、各国のチームの強さを公平に客観的に判定しているのではなく、数少ない試合を行い、弱いチームであっても、その試合で、たまたま得点しただけで、そちらのチームが勝って先に進むということが大いに起こるからである。

 それこそが醍醐味だと言いたい人もいるだろうが、ちょっと待ってほしい。

 本当の実力ではなく、たまたまのハプニングで勝ったからと言って、それがそんなにうれしいことなんだろうか?

 むしろ、もっと数多くの試合(総当たりリーグ戦とか)を、期間を十分にとって行い、たまたまに影響されないくらい十分な数の試合の結果を元に、強い順に公平に順位をつけた結果の方が、はるかに意味がある。ワールドカップのたかだか数試合で、たまたまどちらかが勝った結果に左右されて一喜一憂・右往左往しても仕方がないではないか。本来強いチームが、ワールドカップの予選で敗退しても、別に、悲しむこともない。本来強いのだから、堂々としていればいい。そういうことは一定の確率で当然起こることなのだ。逆に、本来、弱いチームが、予想外に勝ち進んだとしても、別にそんなに喜ぶことはない。本来は弱いのに、たまたまその時の試合で勝っただけであり、そんな偶然に起こったことを、別に喜んだって仕方がないではないか。

(2)に続く!


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