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【詩】夜明け(作:小林亀朗)

浜辺を駆けてゆく馬の
背中に揺れる青羽カゲロウ
その透明の透明の
向こうに見える色彩を
目玉は捉えているようだ


ダイダラボッチの踏んだ跡
波が洗って消してゆき
馬の蹄の爪痕は
砂に埋もれ消えてゆき
カゲロウたちのささやきは
不規則的な音の中
揺れるばかり揺れるばかり


ようやく見つけた片脚に
血管・筋肉浮き立たせては
潮混じりの砂散らしつつ
浜辺を馬は駆けてゆく
背中に青羽カゲロウを乗せ
火の粉を散らし駆けてゆく

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