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【超短編戯曲】本物のマリトッツォ

とある有名洋菓子店

子供「こんなのマリトッツォじゃない。」

親「こら、そんな事言わないの。」

店主「うちは超有名店なんだぞ。子供のくせに何がわかる。」

親「すみません。」

子供「だって、本物じゃないんだもん。」

男「その子の言う通りさ、これは本物のマリトッツォじゃない。」

店主「なんだと。」

女「やめなさいよ。」

男「本物のマリトッツォを食わせてやる。ついて来い。」

店主「よし、本物じゃなかったら、ただじゃおかないからな。」

イタリアの洋菓子店

男「これが本物のマリトッツだ。食ってみな。」

店主「これは……。」

子供「これだ。これがマリトッツォだよ。」

男「本物のマリトッツォは、生クリームを挟んでない。」

店主「私の負けだ。坊主すまなかったな。」

子供「いいよ、もう。」

親「ありがとうございました。」

男「だだ、俺は本物のマリトッツォが食いたかっただけさ。」

女「全員のイタリアまでの旅行費で100万になります。」

一同「……。」

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