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マンガを読んでべしょべしょに泣きながら明日をちょっとだけでもいい日にしたいと思えた話 〜とある休職中のオタクの想いごと〜

 退職することになった。休職期間は約3か月。

 たくさん考えて、考えまくって、泣いて、吐いて、お腹を下して、眠れなくなって、体中が痛くて、耳鳴りがして、でもそれが嘘みたいに何もない日もたまにあって、心身の不調の波に揉まれながら決断を下し、それがこの度受理された。

 そんな今の心境には、喪失感と開放感が入り混じっている。会社員という属性から外れた私。人生における新たな1ページが始まるというよりは、改ページしたみたいな感覚でいる。

 外は快晴で、雲ひとつない青空。だけどその青空に対する感情は特に何もない。まだちょっとぼんやりしている。それでも、周りの言葉に流されず改ページができた自分のことは、少し褒めてあげたい。

 会社からはたくさんの提案をしてもらった。休職期間の延長や復職後の在宅ワーク、部署移動や出向など。ここまで考えてもらってありがたいと思いながら話を聞いていたが、復職する自分の姿があまりイメージできなかった。頑張ってイメージしようとすると、心に負荷がかかって、これまでのしんどかったシーンが次々と思い出されて気持ち悪くなった。

 私は流されやすい人間だ。それをここ数か月ではっきりと自覚した。昔から流されやすい節があるとは思っていたが、それなりに成長したつもりでいた。何とかできると思っていた。だけど実際はそうでもなかった。だから今、こういう状態なのだ。こういう人生を歩んでいるのだ。

 少し前にネットの記事で「流されやすい人間度診断」なるものを見つけ、自分を知るためにやってみたことがある。結果は、チェック項目が10ある内の10、すべてのチェック項目に該当してしまった。そんなことある?

 流されやすい人の典型といえば私。私がお手本です。って、これ、全然胸を張って言えることじゃない。

 まずい、と思った。会社からの提案を断っても、簡単に受け入れてはもらえず、私は「休職期間を延ばしてもらって決断を先延ばしにした方がいいのかも……」などと過ぎらせてしまった。でも、これまで退職の意思を何度か伝えてきたけど、その度に保留にされてきた。また同じことを繰り返すの? 仮に職場に復帰したとして、それが本意でないなら自分に無理を強いることになる。私にはクリニックに通院し続け、いずれまた休職することになるであろう未来が視えた。

 ここで流されてしまったら、この先もきっと心を蝕んで後悔を繰り返すことになる。それもこれも、物事をきちんと見つめきれない、違和感を突きつめて考えない、毅然とした態度を取れない、自己犠牲に走りやすい、自分の意思を貫けない、ラインオーバーを許してしまう、軸がブレまくりの自分のせいだ。

 今もっとも優先すべきことは、「自分の心を守ること」。自分をちゃんと立て直すためにも、ここで流されてはいけない。自分の気持ちをしっかりと伝えなければ。

 そんなわけで、自分なりに「自分の意思を伝えること」「流されないこと」「ブレないこと」を頑張ってみた。退職の意思を貫いた。話し合いが終わった後、体から力が抜けて、しばらく無心で白い壁と窓から見える青い空を見つめた。ようやく我に返った私がしたことは、マンガのアプリの起動。なんでだ。もっと他に何かあっただろうに。

 そうして、今追っているマンガの続きを読んだら、これがものすごく良かった。心に響きまくって目から滝のように涙が出てきて、べしょべしょになった。

 作中に、こんなモノローグがある。

一歩一歩地道に
泥臭くて全然かっこよくない

本当は天才になりたかったよ
でも これが私なら向き合いたい
ガールクラッシュ

 K-POPアイドルを目指す女の子たちの話なのだが、ひたすら地道に努力を重ねて成長していく主人公の姿に胸を打たれる。興味を持った方はぜひ見てほしい。ストーリーはもちろん、絵や見せ方もすごく素敵な作品なので!


 今は体調とメンタルの回復が何よりも優先だが、少しずつ次に目を向けられるようになっていけたらと思っている。

 私はこの休職期間中に、何が自分をここまで追い詰めてしまったのかを考えた。その中で、人に頼れなかったり、ノーと言うのが苦手だったり、流されやすい人間であることを自覚した。だったら、そこから学んで今から変わっていけばいい。私自身が生きやすくなるように、これから訓練して鍛えていけばいい。

 時間だけはたっぷりある。ガールクラッシュの主人公のように、自分と向き合い地道に努力をしていけば、明日は今日よりも少し良くなっている、そんな気がするのだ。

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