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クラフトビールと三連休とただ過ぎていく日々について 〜とある休職中のオタクの想いごと〜

 世間が三連休だということを、知り合いからのLINEで知った。

 ぼんやりとした曜日感覚で日々を過ごしているので、意識してカレンダーを見るなりしないと今日が何日で何曜日なのかがわからない。七月も半ばを過ぎたことだけは把握しているけど、そういえば最近手帳も家計簿も開いてない。ニュースもチェックしてない。世間からちょっとだけ置き去りにされた気分になる。

 最近、一日に一食の日が多い。薬を服用しているのでなるべく三食きちんと食べようとは思うのだが、気がつけば夕方になっていることもあって、私はなんて時間の無駄遣いをしているのだろうと思う。

 昨日、スーパーに買い出しに出かけ、ちょっとだけお安くなっていたこともありクラフトビールをカゴに入れた。一時期、いろんなクラフトビールを飲むことを楽しんでいた時期がある。飲食店で取り扱いがあれば飲む機会を逃さないようにしていたし、スーパーで見つけたら気になったものを買うようにしていた。普段は発泡酒にしているが、給料日や特別な日にはビールを買うのが自分なりの「ちょっとした贅沢」だった。

 私はぼんやりした頭で、クラフトビールや各地の地ビールについてもっと詳しくなりたいという夢……夢という言葉を使うのはいささか大袈裟な気もするけれど、まだ飲んだことのない様々なビールを味わってみたいと思っていたことを思い出した。そこからはふつふつとやりたかったことが浮かんできた。

 たとえば、マドレーヌを作りたいと思っていたこと。お菓子作りは不慣れだが(BPがベーキングパウダーの略ということを最近知ったくらいには疎い)、読んでいたマンガの作中に出てきて、それがあまりにおいしそうだったのでチャレンジしたくなった。

 他にも、ダイエットが成功したらノースリーブを着てみたいとか、恋人ができたらユニセックスの香水を二人で兼用したいとか、銀座にある無印のホテルにいつか宿泊したいとか、今追っているソシャゲのストーリーの完結をリアルタイムで見届けたいとか、そういうささやかなやりたいことが私にはいくつもあった。

 まだ全然普通に働ける気がしないのだけど、それでもずっとこのままではないだろうから、いつかは仕事をするのだろう。宝くじが当たってくれたらなぁなんて思いもするけど、人生そう上手くいくものでもない(もし高額当選したら、働かなくても暮らしていける分だけしっかり確保した上で、マンションを購入して、趣味の部屋を作って、好きなところへ旅行に行って、全身の医療脱毛を終わらせて、歯やお肌もしっかりメンテナンスして、憧れの食器を揃えて、便利家電を買って、料理教室やヨガに通ったりしたい……なんて夢だけは膨らむ)。

 まぁ、現実といえば、傷病手当と失業手当について調べ、銀行残高と向き合っては暗い気持ちになり、節約しなければと毎日自分に言い聞かせている状態だ。それでも最近は死にたくなる感覚が減ってきた。またもしかしたら波がやってくるかもしれないが、今のところ落ち着いているのでちょっとだけほっとしていたりもする。

 まだ休職期間中ではあるのだが、私自身が今の職場での復職は厳しいと感じているので(メンタル面での負荷が大きく、あからさまに拒否反応が出てしまっている)、今後のことを考えなければならない。この歳でまた転職か……とため息が出るけれど、生きるためには働かないといけないので何かしらやるしかない。

 そうすると、今のようにぼんやりと過ごしてきた日々がもったいなく思えてくる。自分がこんな状態になってまで生きてる意味とやらを巡らせてしまうのだ。何も成しえてないからそう思ってしまうのだと思う。多分、私のようなメンタルの状態でこういう思考になるのはよくない。それでも、考えてしまう。上手にキャリアが築けずに躓いてしまった私は、この先どうなるんだろう、と。

 ああ、しんどい。だから、少しでも明るい気持ちになれるよう、好きなものややりたいことに目を向ける。そして、今を何とかやり過ごしている。これはメンタルを壊す前もそうだった。どんなに望んだって、人生がすべて自分の思い通りにいくわけではない。

 生まれた時点で、手持ちのカードは少なかった。努力と根性とその時の思いつきで増やしてみたけど、上手く使いこなせていない気がする。それに、私は私が思っていたより、繊細で脆かった。実際に今休職中だし、その内無職になる。そろそろ上向きな感じの人生を歩みたいです、神様。

 今日は三連休最後の日。何も成せない人間なりに、こうして足跡がわりの記録を残している。書くと気持ちの整理ができて、息がしやすくなるから。私にとって、書くことはセラピーみたいなものなのだと思う。

 外からは雨の気配がする。久しぶりに丁寧にドリップコーヒーでも淹れますか。そんな一日の始まり。

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