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『肉体改造のピラミッド 栄養編』をスイマーが読んで

今回は、タイトルにもある『肉体改造のピラミッド 栄養編』を読んだ感想と、どのようなスイマーにおすすめできるか書いていきたい。

結論

結論から先に述べると、大学生・社会人スイマーで本格的に競技をやっていて、ウェイトトレーニングによる筋力強化、あるいは体脂肪の減量を考えている人にはおすすめできる書籍である。

この本を知ったきっかけ

トレーニングの勉強のためにフォローしているS&Cコーチやその他トレーナーの方々が7月頃にこの本を話題にしていた。柿添さんが指導を仰いでいる加賀さんも以下の通りツイート。

もともと英語で出版されていた本が日本語訳されて出版され、多くのトレーナーの方が読み、好評しているようだったので気になっていた。

この本の概要

書籍内の「はじめに」の冒頭で記されている内容がすべてを表している。

本書はフィットネスに興味を持つ人に「栄養」というものの全体像を伝えるために制作されたものです。

主に対象としている読者は、ボディビルディングなどのコンテストに出場する選手であり、計画的に筋力・筋量を伸ばし、コンテストに向けて減量するために必要な情報が書かれている。

水泳は自らの肉体のみで行う競技なので、道具を使うテクニックを必要とする競技に比べて、フィジカルが成績に寄与する割合が大きい。また水の抵抗を減らすために体脂肪率は増やしすぎてはいけない競技でもある。したがって、本書に書かれている増量・減量の知識は有益なものと思う。

また、「全体像」と記載されているのがポイントで、

・練習中はBCAAを摂取するのがよい
・練習直後にプロテインを摂取するのがよい
・疲労回復にはグルタミンを摂取するのがよい
・マルチビタミン、マルチミネラルのサプリを… etc.

とよく言われて、実践している人も多いのではないかと思うが、そういうことばかりに目が行き、結局1日のトータルの必要カロリーを消費カロリーが上回ってしまえば、体脂肪や筋肉まで分解されてしまうといった本末転倒なことになりかねない。

そこで、本書では栄養管理に関する考え方をピラミッドという形で優先順位を定義し、その順に解説をしてくれている(画像の引用元)。

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いきなり細かい話に入るのではなく、大枠から抑えていくスタイルは、自分の目標に合わせてどこまで取り組むか、考える判断になるのでとても助かる。

本書を特におすすめしたいスイマー

「練習・栄養・休養」という言葉があるように、栄養は競技を行う上で非常に重要な要素である。したがって、すべてのスイマーが知っておいて損はない知識・情報である。

しかし、値段的に5,000円overと高価な書籍であるし、フィットネス向けのためコンテストに向けた極端な「絞り」など不要な内容もあるので、全員が購入すべきとも思わない。だいたいの人は、

・バランスの良い食事
・タンパク質は体重×2gを目安に
・定期的に体重を測定し、極端な増減傾向がないかチェックする

程度でよいと考える。

本書を特におすすめしたいスイマーは、以下の人。

・すでにウェイトトレーニングを取り入れていて、これから筋力・筋量を計画的に伸ばしていきたい
・すでにウェイトトレーニングを取り入れているが、伸び悩んでいる
・これから筋量を落とさずに体脂肪率を減らしたい
・すでに減量に取り組んでいるが成果が出ていない、筋量が落ちてしまった

これからウェイトトレーニングを始める人を対象から外したのは、ウェイトトレーニングを始めたばかりは、筋量を増やさなくても筋力は容易に伸びやすいし、体脂肪率が減りながらも筋量を増やしやすかったりもするから。ある程度続けてみて、伸び悩んだり、さらに伸ばしていきたいと感じるようになってからでも遅くないと思う。

この書籍のおすすめポイント3つ

①どのくらいのPFCバランス(タンパク質、脂質、炭水化物)で、トータルカロリーを何kcalに設定すればよいか、自分で考えられるようになる。

自分で考えられるようになる、というのがポイント。ひとりひとり生活スタイルやトレーニング内容が異なるため、一概に同じ体型の人や生活が似ている人でも、消費カロリーが異なってくる。したがって、一旦目標を設定しても、想定と異なる結果が現れる可能性も往々にしてあり、そのたびに修正を加えながら食事管理をする必要がある。

この書籍では、単純な体重や基礎代謝、生活スタイルではなく、実際の結果から、どれぐらいの頻度で、何を指標に食事内容を見直すべきか、というところまで教えてくれる。

②継続的に取り組むための知識を得ることができる。

減量ならまだしも、増量は時間がかかる。数ヶ月~年単位での取り組みになってくる。したがって持続可能な食生活と食事管理をしていかないと、途中で挫折したり、ストレスがかかってトレーニングのモチベーションが落ちてしまう。

この書籍は、緻密な計算を必要としない場面では、空腹感や満腹感といった自然な感覚と、生活習慣をベースに生活を送ることを推奨しており、そのためのTipsをまとめている。また、食事管理をする場合でも、ストレスを軽減しながら取り組むための心構えを教えてくれる。

③本がイカツイ笑

これは好みが分かれるところだが、わたしはこの書籍を読んで、よし頑張ろう!と思える。

黒を貴重としたハードカバー、各章のタイトルページにあるゴリゴリマッチョの方々の写真、最低限の図表、挿絵で構成された割と無機質な中身

以上!


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