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『演技と身体』

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東西の哲学、解剖学、脳神経学、古典芸能(能)の身体技法や芸論を参照しながら独自の演技論を展開しています。実践の場としてのワークショップも並行して実施していきますので、そちらも是非… もっと読む
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#ポリヴェーガル理論

『演技と身体』Vol.49 内臓一元論② 内臓でみんなうまくいく

『演技と身体』Vol.49 内臓一元論② 内臓でみんなうまくいく

内臓一元論② 内臓でみんなうまくいく前回の記事では改めて感情表現における内臓感覚の重要性を確認した上で、無意識や呼吸と内臓の関係を考察した。
今回はもう少し具体的に内臓感覚を研ぎ澄ます方法をまとめてみよう。

内臓中心に姿勢を考える

内臓の感受性が感情の豊かさと深く関連するならば、望ましい状態は物理的に余計な負荷や制限が内臓にかかっていないような状態である。一言にしてしまえば、姿勢正しく力みのな

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『演技と身体』Vol.31 自律神経の話②

『演技と身体』Vol.31 自律神経の話②

自律神経の話②前回に引き続いて自律神経の話をしたいと思う。
前回はポリヴェーガル理論を紹介し、自律神経のモードを〈交流モード〉〈闘争/逃走モード〉〈自閉モード〉の三つに分けた。
今回はそれらをいかにして使い分けることができるかを検討してみたい。

自律神経は不随意

まず言っておくと、自律神経は自律的に働くものなので筋肉のように直接的に操作することはできない。
そこで間接的な働きかけが必要になるの

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『演技と身体』Vol.30 自律神経の話①

『演技と身体』Vol.30 自律神経の話①

自律神経の話①現場は普通じゃない

芝居をする時というのは、カメラがあったり、観客やスタッフがいたり、強い照明やマイクを向けられていたりする。つまり、普通じゃない。
そんな普通じゃない状況の中で例えば“自然な演技”を心がけようとしてもそれは“自然風”でしかなく、表面的には成立しているように見えても、意図していないニュアンスや緊張が乗ってしまっていることが多い。
よくあるのは、呼吸が浅くなっているた

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